16.再発(M side) ページ16
先生から呼ばれて、病院に行った。再発してるって言われた。そして、胃に初期のがんが見つかったことも聞かされた。胃の方は、簡単に切除できるんだって。でも、脳の方は、取り除くのは不可能に近いんじゃないかと…だって。
先生「すぐに決断してとは言いません。少し考えてみてください」
そう言われてもな……胃の方はすぐに切除してもらいたいんだけど、脳の方はな…、悩みどころだな。
腫瘍を取り除いてこのまま仕事を続けるか、取り除かず、死を待つか。
先生いわく、今回の腫瘍は、間違いなく悪性だろうと。まだ少し若いから進行が早いとか言ってたけど、俺…死んじゃうのかな?まだ…俺、生きていたいよ。生きて、タマと一緒にいたいよ。
M「…タマ、どうしよ」
t『どうした?としくん』
俺は、恐怖のあまり、タマに電話をした。でも、タマは察したのかな?俺が言おうとしたことを…
t『検査結果、先生に言われたの?』
M「うん、今回の腫瘍は、間違いなく悪性だろうってさ……手術できるかは、よくわからないって」
t『としくん、はさ…どうしたいの?』
M「俺は…できれば手術して、タマの隣にいたい。」
t『…うん』
M「でもね…今、考えたんだ。俺、この体が動かなくなるまで、お仕事頑張ろうかなって」
電話越しに、タマのすすり泣く声が聞こえてきた。ごめんね、タマ。俺だって悲しいんだよ?でも、手術できないのなら、死を待ちつつ仕事をすればいい。ねぇ、裕太…君は今、どんな気持ちなの…?
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作者名:beniimo_1048 | 作成日時:2018年8月6日 20時