1.千秋楽での事件 ページ1
2015年9月30日、今日は主演舞台「DREAM BOYS」の千秋楽。俺の周りの共演者の方々はすべての日程が終わってほっとしているようだ。俺は、一緒に出ていたメンバーの千賀と宮田のところへ行く。
s「タマ〜!!お疲れ〜〜!」
t「うん、お疲れ〜」
ん?なんか…宮田、ボーってしてね?なんか…可愛いな。千賀の話をほとんど聞いておらず、ずっと宮田を見ていた。そしたら、急に目の前の宮田が俺に倒れ込んできた。
t「えっ、ちょっと宮っち?どうした?」
s「どうしたんだよ宮田〜!タマに甘えたいのか?」
t「え、まって…?宮田、熱いんだけど…」
s「え…?」
t「ちょっと宮っち!?宮田!!しっかりしろ!」
俺は必死に彼の名前を呼んだ。その間に、他の共演者の方々や千賀が救急車を呼んだり、氷嚢で頭冷やしたりして処置をしたりした。本当に宮田の顔色が悪い。一体彼に何があったのだろうかと考えているうちに救急車が到着した。俺は、千賀と二人で救急車に乗った。
車内では、酸素マスクをつけられて、顔色の悪い宮田が横たわってる。それを見てて、辛い。早く病院に着いてほしい。着いて落ち着きたいと思った。
病院に着いてからは、検査だとか処置だとかで先生達がバタバタしていた。俺と千賀は、その先生達の様子を待合室のソファーで見ていた。
t「ねぇ千賀…どうしよう…宮っちが…」
s「タマ落ち着けないだろうけど落ち着けって。大丈夫だって、な?」
そんな事言われても…考えれば考えるほど嫌な事が頭に浮かぶ。涙が止まらない。
t「としくん…ひっく…嫌だ…」
そんなことを言っても、千ちゃんはただ、俺の背中を優しくさすってくれるだけ。それだけでも今は心強い。千賀がいてくれて良かったと思う。
処置が終わったらしく、先生達が処置室から出てきた。検査結果は早くても2日後にしか出ないらしく、詳しいことは聞かされなかった。とりあえず、今は大丈夫らしくホットしてまた涙が出た。
まさかこれからの日々が、絶望的にしか思えないと思う日が来るとは考えてもいなかった。
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作者名:beniimo_1048 | 作成日時:2018年8月6日 20時