【 キス 部位 】 検索

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並んで歩いてふと、気づいた。

歩幅が違うのと、歩く速度、聞こえる声の低さ、目線の違い。

昔は何もかも一緒だったのに。



「……茂庭くん、伊達工だったんだね」

「そういうAは烏野かぁ」

「本当は青城行こうと思ったんだけど遠いじゃん」

「はは、確かに」



彼との違いを消すように無理に話題を作る。

だって、男って意識しちゃったら昔みたいに接することができなくなりそうだから。

チラッと見た大きな骨ばった手も、喉仏だって昔は無かったのに…

すれ違った小学生を見てまた小さい頃の彼を思い出す。

そして彼も何かを思ったのだろう、ゆっくりと口を開いた。



「…Aさ、昔、俺に家来になれ！って言ったよな」

「…忘れて、あれは黒歴史というかなんと言うか」

「いや、あれは衝撃的すぎて忘れられないかな」

「なんで！忘れてよもう…」



顔を手で覆えば 転ぶぞ〜 と優しい一言。



「…まぁでも、俺は嬉しかったんだけどな」

「…え、茂庭くんドMだったの？」

「いやそうじゃなくて！」



引いたような目で見れば こら！ と怒られる。

なんか、何もかも変わってない。

本当に変わってないじゃないか。



「……好きな子の家来なんて、男からしたら幸せな他ないよ」

「え」



二重の意味で、ドキッとした。

“好きな子の” “男からしたら”

まず好きな子ってなに、それから男からしてって…



「な、にそれ」

「…それはね、今も変わってない。会わない間もずっとAが好きだったよ」



真っ直ぐな目と、その言葉に顔も体も熱くなる。

フラリ、と少しの段差に腰掛けると彼は慌てたように手を伸ばす。



「え、ちょ、大丈夫！？具合悪いの！？」

「…違、なんか、ビックリしちゃって、」

「…あぁ、そうだよね、ごめん」

「……嬉しビックリって言ったら、困る？」



そう言うと彼は少し目を丸くした後、 まさか と優しく笑った。

そして座ったままの私の足元へとしゃがみ込む。



「…これから、俺に守らせてくれる？」

「…はい、」



頷く私を見た彼は少し照れ臭そうに、私の脛にキスをした。



・



脛:服従

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