恋に期間は関係ない。【赤 葦 京 治】

感極まって 2 ページ21

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「Aは女で、



俺は男」

「だ、だからなに、」



うるさい心臓を誤魔化すように、強気な言葉で返す。

だけど、



「だから………」



頬に当たる大きな手。

それと同時に少しだけ顎を上げられて……



「……、簡単に、こーいうことしたらダメなんだよ」



掠れる程度で重なる唇は、すぐに離れ

鼻先がチョンと当たる位の距離でそう言われた。



「……なん、で」

「……え、あ、ごめん。泣かせるつもりは………」



ボロッと溢れる涙

止まることなくボロボロと落ちるそれは赤葦を困らせるのに十分だった。



「………好きじゃないくせに、」



赤葦の肩を押して距離を取る。

そして力なくボコッと肩を殴った。



「なんで、こーゆうことするの」



未だ溢れる涙はシーツにシミを作っていく。

何も言わない赤葦。

顔を見ることなんてできず、俯いたままもう一度肩を叩く。



鼻をすする音だけが部屋に響いた。

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