彼は見かけによらず甘えたがる！！！ 【黒 尾 鉄 朗】

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しっかりしてる！頼もしい！！大人っぽい！！！

なんて言われてる黒尾だけど




「んー、疲れた。癒して」

「はいはい」




実は案外甘えたがる男だ。

後ろからくっついて来た黒尾、こう見てるとまだ子供だな、高校生だなって思える。

まぁ私も高校生なんだけど！




「あー、休み時間永遠になんねぇかな」

「それはそれで嬉しいけど永遠に家に帰れないね」

「……ちゅーしていい？」

「だめ」

「なんで」

「あとで」

「今がいい」

「昨日送ってきたライン今ここで声に出して言えるならいいけど」




そう言うと、黒尾は固まった。

ラインの時は直接じゃないからか、いつも甘いセリフを言ってくる。




「言える？」

「……お前後で覚えとけよ」

「ふふ、じゃあ代わりに私が……」

「やめなさい」




携帯を出すフリをした時、ぎゅっと強く抱きしめられて体を固定された。

嫌に決まってるよね、だってあのラインの内容黒尾のキャラじゃないし。




「……ほら、そろそろチャイム鳴るよー」

「もう少し」

「いつでもできるでしょ」

「今は今しかないんですぅ〜」

「子供じゃないんだから」

「まだ高校生だし」




……なに言っても聞かない黒尾。




「なぁ、今日うち来いよ」

「部活は？」

「……ある」

「じゃあダメじゃん」

「明日は土曜日、部活無い」




あ、明日土曜日か……

休みだから夜遅くに行っても大丈夫ってことかな？




「んー、どーしよっかな」

「来てくれないなら離さない」

「……わがまま言わない」

「わがままじゃなくてお願い」




肩に顎を乗せて、私のお腹の前で指を組む黒尾。


“黒尾ってしっかりしてるじゃん”

“なんか大人の男って感じ。色気あるよね！”

“普段冷たいけど内心めっちゃ愛情深そう”


黒尾と付き合ってからよく言われるこの言葉。

ふふ、そう見えるでしょ！

でもね、


彼は！見かけによらず！！甘えたがる！！！


……それもうざいほどに。




「な〜、A〜……」

「ほら、甘えるのもほどほどに！」

「……へいへい」




緩んだ腕からすり抜けて、

くるりと向きを変え黒尾のネクタイを引っ張る。

前のめりになった黒尾と目があった。




「っ、なに」

「キス、しないの？」

「え、していいの？」

「しないならいいや」

「する、待、オイ逃げんな！」




…最初は「ギャップヤベェ」とか思ったけど、案外慣れるもので。

「必要としてる」って全面に出してくる、

そんな黒尾が大好きだ！

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