ツン & つん 【二 口 堅 治】

つん ページ16

授業後、


日直がノートを集めて来い、との事で




「よし、これで全部かな」


「人数分あんだろ、行ってこい」


「……いや、手伝えよクソ野郎」


「ゴリラだし1人で充分だろ？」




……そんなに私と行きたくないのかな


いいし、別に




「じゃあいい、青根くんに手伝ってもらう」


「……馬鹿、青根使うな」


「じゃあ働けよ」




そう言って渋々立ち上がった二口にノートを半分押し付けた




「……お前、前見えてんの？」


「はぁ？見えてますけど。舐めてんの？」


「転けろ馬鹿女」


「そんな馬鹿なヘマは……あっ、」


「！っ、馬鹿、」




やば、ノート落ちる、


の前に


自分の足に足突っかけるとか、





「っわ、」




バサバサと落ちて行くノート、


その中に私は埋もれる事はなく




「……馬鹿なヘマしてんじゃねぇか」


「なッ、」




すぐ横、耳元から声が聞こえた


後ろから抱きしめられてる、なんて理解できない


今までで1番近かった気がする


二口の匂いと、感触




「っ……セクハラ！！！」


「イ"ッ……！」




恥ずかしさと、慌ててたので


思わず足を思い切り踏みつけた




「馬鹿、最低！ゴリラ！！」


「っ〜〜……ゴリラは、お前だろッ…」




二口の声なんて無視して走って逃げた


やばい、


今絶対顔赤い




「あっつ……」

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