赤い薔薇は黒く染まる【d！短編集】 (ページ45)

今日:3 hit、昨日:22 hit、合計:55,879 hit

28本目、「スナイパー」/ci ページ45

*

正直腐れ縁だと思ってる

そう思いながら私が見つめているのは同僚のチーノのこと

小中高大学も、ましてや勤め先も同じな彼のこと

彼とは別にそんな親しいような関係ではないが

これは何かの縁だと思う。

(いけないいけない、仕事に集中しなきゃ)

彼を見つめるのをやめ、パソコンのディスプレイを再び睨み始めた。

すると、

上司「A君、チーノ君、ちょっと来てくれないか？」

何故か呼び出された。

ci「はーい、なんですか？」

『どうされましたか？課長。』

上司「君たちに我が社の新しいプロジェクトを任せたいと思ってな、どうだ？」

突然の大仕事に吃驚しつつ、昂る気持ちを抑え冷静に返事を返した。

『はい、私でよければ全力でやらせていただきます。』

でもそんな私の何倍も

ci「はい是非！全力で頑張ります！」

彼は嬉しんでいた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

数ヶ月後

上司「新プロジェクトの成功に、乾杯！」

「「かんぱーい！」」

上司「いやぁ、A君もチーノ君も有難うね、君らのお手柄だよ！」

プロジェクトは大成功。辛い時もあったけど、やり切れて本当に良かったと思う。

ci「いや、課長の支えがなければここまで来れませんでしたって～」

『そうですよ、課長。』

ci「Aも有難うな！」

お酒を交わしながら盛り上がる飲み会。

私もパッとお酒を飲もうと口をつけた時だった。

、

お酒が一気に脳に回った様にクラクラする。

ぼーっとする

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ci「起きました？ははっ」

『…どこ？…！！？！？なんで…？』

起きたら見知らぬ部屋と、同僚。

彼との間には鉄の棒が何本も立っていた。

ci「やっと！やっと…！長かったぁ…」

『…え？どういう…？』

ci「ほら、やっとAを自分のものにできたなって！20年ぐらいも追いかけてきたんだから」

『え？追いかけてきたって？』

ci「Aは縁か何かかと思ってたんかな？小中高大職場も同じなのは故意だよ？」

縁じゃないの…？

ci「ずっとずーっとAのそばにおったんよ？やっと手に入ったら嬉しくて嬉しくって…」

ci「そや、今日からAはペットだからね？可愛く鳴いておくれよ？」

彼はただの縁じゃなくて、ずっと狙ってるスナイパーだったんだ