なんだかんだ言って ページ38
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……で、
「ねぇねぇ、あの人かっこよくない?」
「背も高いしモデルかなんかかなー?」
「隣の人彼女?なんかおばさんじゃなーい?」
「…」
なにこの言われようは……
「あれ、何してんすか?」
「…いや、どうぞ気にしないで」
「はい?気にするっつーか、話せないっすよそれじゃあ」
「…、」
「こっち。来てください」
「…や、でも
「はやく」
「…っ、」
こっちの玉森裕太だと、やっぱモテるんだなーなんて。
なんとなく胸のあたりがモヤモヤしてることわかってた。
確かに歳も離れてるし、私おばさんだしなー…なんて…
そんなの自分が一番よくわかってる。
だから、玉森裕太から離れて歩いたの。
歩いたのに………
「…ねぇ」
「…」
「ねぇってば、」
「…なんですか」
「どこいくの」
「とりあえず飲みたいんで。俺のよく行く店向かってますけど」
「…あっそう…、」
そこって普通何食べたい?とか聞いたりしないわけ???
「ダメでした?」
「別に…」
「藤ヶ谷先輩とはよく行くんですよね?飲みに」
「…いく、けど……」
「俺とは行けませんか?」
「そうじゃなくて…」
デートなんて言うから
なんか変に緊張しちゃってて。
隣にいるこのブラック玉森裕太にドキドキしちゃってる自分がいた。
どこかお洒落なレストランなんかを想像したりしちゃってる自分にモヤモヤして、腹が立って。
なんだかんだ言って私、この人に惹かれてるのかなーなんて…
ただ彼の行く先を追う足元のパンプスを見つめながら考えてたんだ。
「…、?」
突然進むことを辞めた彼の靴に気付いて顔を上げる。
「あなたは……」
「え?」
「……なんでもないです」
「…」
その後再び歩き出した玉森裕太を追いかけた私だけど。
たった今、不意に見せた彼のその悲しみの入り交じった表情に戸惑いを隠せない自分がいた。
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すなぎも - めっちゃ面白いです!!続きがとても気になります!更新待ってます! (2018年7月25日 21時) (レス) id: ef1e270871 (このIDを非表示/違反報告)
はじめ - 続きがとても気になります!更新待ってます! (2018年4月4日 14時) (レス) id: e3f41243e4 (このIDを非表示/違反報告)
kumi(プロフ) - 初めから一気読みしました!めっちゃ面白いですね!!ブラック玉ちゃんカッコイイ!!続きが気になりますっ!!! (2016年7月12日 2時) (レス) id: 8cddf2f951 (このIDを非表示/違反報告)
たまま - このお話のたまちゃんすごい好きです! 続きが気になってしょうがないです! 更新楽しみにしてます! (2016年2月18日 19時) (レス) id: 18ff77bab6 (このIDを非表示/違反報告)
はるる - 頑張って下さい! (2016年2月7日 22時) (レス) id: fb87ff9d5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:K | 作成日時:2015年3月10日 21時