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鼻先5cm ページ31

.




「じゃあなんで…、」





なんでこれ…作ったの?

え、大丈夫…よね、これ……





「そんなに警戒しなくても、変な物は入れてないんで大丈夫ですよ。一応」


「…」





…いや

一応って言ったよね。今。






「玉森くん…」


「はい?」


「……なんで、戻ってきたの?」





うん

そこよね、まず。





「…別に。意味はないですけど」


「…」


「ゼリーじゃ足りない、って。先輩の顔に書いてあったから」


「…う、うそ…!」


「ほんとです。実際そうだったでしょ?」


「…そ、それは…っ」





そうですけど……!!!!





「だからほら、文句言わずに食べて下さい。体力つくはずですから」


「…何が入ってるの?これ…」


「内緒です」


「な…っ」


「いいから、早く食べて大人しく寝てください。それとも俺に食べさせて欲しいんですか?」


「…っは!?じ、自分で食べれますっ!!!」





慌てて食べ始めた私を見て、んはは、って笑い出す玉森くん。

ほんとは優しいのか、はたまた意地悪なのか…

全くもってよくわからない。

眼鏡をかけてない彼のくしゃくしゃな笑顔。

そーやってれば普通に可愛いのに。





「あ」


「…なんですか?」


「そう言えば、オートロック…」


「え?」


「オートロック!どうやって入ったの!?」


「あぁ、藤ヶ谷先輩の見て覚えました」


「…あ、そう…」





そういう所でも飲み込みがはやいのね…





「まぁ、よかったです。これでいつでもここに来れますから」


「…え?」





今なんと…?





「それよりも先輩」


「!?」





突然近付いてきた玉森くんが

すっかり食べ切った私のお椀を取り上げて。





「…藤ヶ谷先輩だったら、あんなに簡単に玄関開けちゃうんですか?」


「…え?ちょっ…、」


「藤ヶ谷先輩だったら、あんなに素直なんですか?」


「……な、なに言…っ、」





沈むベッドへジリジリと近付いてくる玉森くんとの距離は、もう既に鼻先5cm程。

後ろに手を付き、必死に後退りする私に覆い被さるような態勢の玉森くん。





「藤ヶ谷先輩だったら、あんなに楽しそうなんすね」


「…っ、//」


「…先輩」


「〜〜〜っ…///」





キスされるっ……!!!!

反射的にそう思い目を瞑った。





「…」





………あ、あれ……??







ギシ、っと軋むベッドと

途端に遠くなる目の前の気配。



.

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すなぎも - めっちゃ面白いです!!続きがとても気になります!更新待ってます! (2018年7月25日 21時) (レス) id: ef1e270871 (このIDを非表示/違反報告)
はじめ - 続きがとても気になります!更新待ってます! (2018年4月4日 14時) (レス) id: e3f41243e4 (このIDを非表示/違反報告)
kumi(プロフ) - 初めから一気読みしました!めっちゃ面白いですね!!ブラック玉ちゃんカッコイイ!!続きが気になりますっ!!! (2016年7月12日 2時) (レス) id: 8cddf2f951 (このIDを非表示/違反報告)
たまま - このお話のたまちゃんすごい好きです! 続きが気になってしょうがないです! 更新楽しみにしてます! (2016年2月18日 19時) (レス) id: 18ff77bab6 (このIDを非表示/違反報告)
はるる - 頑張って下さい! (2016年2月7日 22時) (レス) id: fb87ff9d5e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:K | 作成日時:2015年3月10日 21時

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