騙した…？ ページ21
.
「…じゃあここ、もう一回やってみて」
安藤主任に指摘されたミスの部分。
早口だっけど、今説明したこと聞いてれば出来るはず。
ーカタカタ…
……え？
待って待って。
完璧？？
というかそれ以上……？？
玉森くんが打ち込んでいく文章を身を屈めて見つめる。
パソコン画面に映し出されるソレは、私が簡単に教えた内容なんかより遥かに完成度の高いもの。
「…まぁ、これくらいは簡単っすね」
「っえ！？」
「これ、ミスあります？」
「…ない、です…」
「んふふ。すいません先輩、俺騙しちゃいました」
「…え？騙した…？」
「はい、先輩と二人になりたくて」
「……なに言って、」
「だって先輩、こうでもしないと僕を避けるじゃないですか」
「…いや、だからって…」
だからって、こんな仕事のミスなんてありえない。
なに考えてんだこいつは…
「……玉森くん、あなた少し考えなさい」
それだけ言ってその場を離れた。
呆れた。
怒るの通り越して呆れたよ。
なにも言えない。
…はぁ。
給湯室に入ってコーヒーでも飲もうとお湯を沸かす。
これを飲んだら帰ろう。
もうあの子に教えることもないし…
「先輩」
「…っ、」
入り口で声がして、ビク！って身体が跳ね上がる。
「先輩、俺…」
「…な、なに？」
「仕事のミスをわざとこじ付けたのは謝ります。すいませんでした」
丁寧に頭を下げる彼を見つめる。
…なによ、以外と素直じゃない。
「…や、わかってくれたならい「でも俺、先輩と二人になりたかったのは本当なんで」
「…は？…ちょっ…、」
トン、てあっという間に壁に追いやられて。
これがいわゆる壁ドンてやつなの！？なんて…
流暢に頭の中で思う間も無く近付く彼の顔。
「…ふふ。先輩の顔真っ赤」
「…っ、///」
眼鏡を外した彼の綺麗な顔から視線を外すことが出来ない。
瞬きすらも忘れた私の唇に、近付いた彼の唇がそっと触れた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2235人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すなぎも - めっちゃ面白いです！！続きがとても気になります！更新待ってます！ (2018年7月25日 21時) (
レス) id: ef1e270871 (このIDを非表示/違反報告)
はじめ - 続きがとても気になります！更新待ってます！ (2018年4月4日 14時) (レス) id: e3f41243e4 (このIDを非表示/違反報告)
kumi(プロフ) - 初めから一気読みしました！めっちゃ面白いですね！！ブラック玉ちゃんカッコイイ！！続きが気になりますっ！！！ (2016年7月12日 2時) (レス) id: 8cddf2f951 (このIDを非表示/違反報告)
たまま - このお話のたまちゃんすごい好きです! 続きが気になってしょうがないです! 更新楽しみにしてます！ (2016年2月18日 19時) (レス) id: 18ff77bab6 (このIDを非表示/違反報告)
はるる - 頑張って下さい! (2016年2月7日 22時) (レス) id: fb87ff9d5e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：K
| 作成日時：2015年3月10日 21時
