story47 「似た暗闇」 ページ48
〜貴方side〜
「見かけによらず、お転婆だな」
「アハハ、ご迷惑おかけしました！」
監守の人と歩きながら話をし、反省室へと大人しく入る。
光もない暗い部屋。
この前はアッシュは傍に居たけど、今日は俺一人。
「何か嫌なんだよねー此処」
前世の屋敷に雰囲気が似てるっていうか、なんというか。
鉄格子から見える月を見上げながら、さっき見た二人の顔を思い出す。
「化け物とか思われたかな……」
アッシュの目も、
マックスの目も、
俺が殴りつけた男と同じ目をしていた。
目は口程に物を言うというけど、全くその通りだ。
自分の手を見ると、血が滲んでいる。
服には返り血が。
祖父と親父が言っていたのはこれだったのか。
制御できない力は使うなって意味で言ってたんだ。
二人は知ってたんだ、俺が怪物だって。
力を出そうとした時、頭の中でスイッチが入る音がした。
あの音は、前にも一度聞いたことがあった。
何処でだったかは覚えてないけど。
「あぁ、これじゃー英二みたいにアッシュの傍に居るのも難しそうかな〜」
俺のする選択は、どれも失敗ばかりだ。
アッシュを助けている様で、失望させることばかりしてる。
この反省房から出たら、最後のあがきでアッシュがあの三人に捕まる。
それを阻止して、此処から出たら少しの間距離を置こう。
未来を変える為に離れる訳にはいかないけど、俺じゃ英二みたいにアッシュが安らげる場所は作ってあげられないから、せめて邪魔だけはしないようにしよう。
今だって英二は、アッシュの為に動いてるんだ。
俺よりも数倍、いや、数十倍役にたってる。
「あぁ、英二みたいになれたらいいのにー」
床に寝転がりながら独り言を呟く。
未来はきっと変える。
きっと、アッシュが幸せになれる未来を作る。
けど、その未来に俺の姿はきっとないだろう。
アッシュと英二。
そこだけは、変えることの出来ない場所だと思う。
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沖田さくら(プロフ) - 佐久菜さん» コメントありがとうございます！一気見して下さったんですか？！嬉しいです！楽しんで読んで頂ける様、これからも頑張ります！ (2020年5月2日 9時) (
レス) id: 43edebc781 (このIDを非表示/違反報告)
佐久菜 - めっちゃ面白いです！つい一気読みしてしまいました笑これからも頑張ってください！ (2020年5月2日 6時) (レス) id: e5ff1d5bd2 (このIDを非表示/違反報告)
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