story44 「本性」 ページ45
マックスとの話から数日。
今日、俺の部屋に例の奴が移ってくる。
今から心臓がバクバクと音をたてる。
祖父や親父から色々教えて貰ったが、二人とも頑なに「絶対に本気を出すな」と言い聞かせてきた。
どうして、そこまで心配するのか今でも分からないが、今日ばかりは仕方ない。
まぁ、バレなきゃいいよね。
「色々抑えられるか不安だな……」
そして、ガラガラという音と共に「よう」と一人の男が監守に連れられ姿を現した。
〜アッシュside〜
おっさんが別の牢に移ると言ってから数日。
出て行く様子はないが、毎日落ち着かない様子だ。
「おい、おっさん。ソワソワすんな、気になるだろ」
「え？あぁ、悪い」
最近の浮かない表情の理由も分からないまま、俺はベッドに寝ころび天井を見上げる。
A何してるかな。
暇だし会いに行くか。
そんな事を考え体を起こした直後、牢の外が騒がしくなり全員が同じ方向へと走って行く。
「なんだ？」
俺は牢から出て、走っている一人を呼び止めた。
「おい、何かあったのか？」
「あぁ！今から見世物があるらしいぜ！なんでも、黒髪のお姫様を飼いならすってブルが同じ牢に入ったらしい！」
「はぁ？！ブルが？！」
その名前を聞いた瞬間、さっきまで牢の中でソワソワしていたおっさんが立ち上がり声を上げた。
「おっさん。誰だよ、そのブルって奴は」
「アイツはヤバイ！早く行かないと、Aが襲われちまう！」
「はぁ？！どういうことだよ！クッソ！なんだよ、それ！」
俺の前を血相変えて走り出すおっさんの後に続いて、俺もAが使っている牢へと向かった。
アイツは日本人だから優遇されてたのに、どうして突然相部屋なんて……。
そこそこ喧嘩は出来るが、あんな狭い所で罪人を相手にして勝てる訳がねぇ。
そして、俺達がAの牢の前についた時には、猿みたいに檻にしがみつき中の様子を見る罪人共の集団があった。
「これじゃ、中見れねぇじゃねーか！」
「おっさん！ちょっと、手貸して！」
俺はおっさんと二人がかりで、その集団を掻き分け何とか牢の前まで辿りついた。
「嘘だろ……」
そして、中の光景を見て唖然とした。
自分よりも巨体のブルという男を跪かせ、首を絞め笑うAの姿に。
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沖田さくら(プロフ) - 佐久菜さん» コメントありがとうございます！一気見して下さったんですか？！嬉しいです！楽しんで読んで頂ける様、これからも頑張ります！ (2020年5月2日 9時) (
レス) id: 43edebc781 (このIDを非表示/違反報告)
佐久菜 - めっちゃ面白いです！つい一気読みしてしまいました笑これからも頑張ってください！ (2020年5月2日 6時) (レス) id: e5ff1d5bd2 (このIDを非表示/違反報告)
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