story4 「英二との生活」 ページ5
太陽の光と鳥のさえずりで目を覚ました朝。
俺は隣で眠る英二の体を揺らした。
「英二ー!起きてー!」
「あぁ……五分……」
「おぉぉぉぉい!!!」
転校手続きをし、すぐさま英二の元を訪れた俺は必要最低限の荷物を持って家へと上がり込んだ。
最初は英二の実家で暮らしていたのだが、流石にそれも悪い気がして英二を巻き込みルームシェアを英二の両親に断られる前提で提案してみた。
すると案外あっさり了承を貰え少し前から二人で暮らしている。
まぁ、それからもう一年と数ヶ月経つが、未だにアメリカ行きの話は来ない。
一体いつなんだろうか。
「……おはようA」
「おはよー!そんなに眠たいなら顔洗って来いよ。朝ご飯作っとくから」
「うん、そうする」
目を擦りながら布団から出た英二は、そのまま洗面所へ。
俺は台所へと行き、いつも通り朝ご飯の準備を始める。
アニメでは英二は、しっかり者に見えていたが一緒に住んでみると色々と抜けている所が多いように感じられる。
ベーコンと卵を焼いている間にスープとパンの準備。
昨日のサラダがまだ残ってたはずだから、それもついでに出すか。
「いつもありがとう」
「いいよ別にー。その代わり、俺の分のプリン食うなよー!」
「分かってるよ!」
洗面所から出て来た英二と何時も通り馬鹿話をしながら料理を作る。
1DKのアパートだから食事は、こたつ机の上。
英二がお箸の準備などをしている間に料理が完成し、二人でテレビを見ながらご飯を食べる。
お互いアルバイトをしながらの生活だが、実家で何不自由無い生活をしていた時よりも楽しいと感じるのは友達と一緒だからだろうか。
それとも英二と居るとアッシュと会う日が近い事を感じられるからなんだろうか。
「そういえば、伊部さんが今日話があるから家に居ろって言ってた」
「伊部ちゃんが?おぉ、何の話だろ。ついに俺にモデルのスカウトが!」
「それは違うと思うけど…‥」
冗談を言いながらも俺の心臓はバクバクと音をたてていた。
きっとニューヨークへの取材の話だろう。
「今日は二人ともバイト無いって伝えてあるから、昼頃に来ると思うよ」
「そっかそっか!モデルになったら、可愛い人とツーショット撮れるかな〜!」
「だから違うと思うよって」
「えぇ、本当に英二は夢がねーな!」
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沖田さくら(プロフ) - 佐久菜さん» コメントありがとうございます!一気見して下さったんですか?!嬉しいです!楽しんで読んで頂ける様、これからも頑張ります! (2020年5月2日 9時) (レス) id: 43edebc781 (このIDを非表示/違反報告)
佐久菜 - めっちゃ面白いです!つい一気読みしてしまいました笑これからも頑張ってください! (2020年5月2日 6時) (レス) id: e5ff1d5bd2 (このIDを非表示/違反報告)
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