story31 「二度目の夜」 ページ32
〜アッシュside〜
俺の胸の中で眠るA。
コイツを抱きしめて過ごす夜は二度目だな。
鉄格子から月が覗くのを眺めながら、さっきのAを思い出す。
『守るとか言いながら、お前に守られてばかりだな。大丈夫。すぐに収まるから、今の俺は見ないでくれ』
『触るな！近づくな！こんな弱い俺を見て欲しくない！お前に嫌われたくない！』
瞳に涙を溜めながら、声を荒げ、抵抗を見せたA。
どうしてあんな風に怖がるんだ。
お前は俺に守られてばかりだと言ったが、それは違う。
俺だってちゃんと守られてる。
捕まった時も、尋問室でも、此処でも、お前の存在は俺に大きな影響を与えてくれている。
お前の笑顔に、
言葉に、
何度救われたか分からない。
それに守られたのは俺だけじゃない。
スキップだってお前が守ったんだ。
あそこでお前が庇わなければ、きっとスキップは今此処にいない。
なのにお前は、笑って本心を隠してばかりで自分を責め続ける。
「A」
眠るAの頬に触れながら、あどけない寝顔を見つめる。
お前は、一体何を考えているんだ。
「はぁ」
考えても埒が明かない。
俺は溜息をついて、壁に凭れ、顔を上げる。
Aのことは、これから時間を掛けていけばいい。
今は、バナナフィッシュについてだ。
一体なんなんだ、人か、それとも何かの暗号か。
ディノの野郎、一体何を企んでる。
奴が何を企もうと、必ず俺は11の時奴らに捕まって以来、俺はずっと待ってた。
自由になるためには奴と戦うしかないんだ。
奴がどんな手を使おうと、必ず勝って、生き抜いてやる。
〜貴方side〜
寒さで目を覚ました夜。
俺を抱いて眠っているアッシュの手には文字の書かれた細い紙があった。
これは……
アニメで、アッシュが英二に渡すために書いた紙だ。
確かこれを渡す時に薬の中に仕込むんだっけ？
その為にアッシュは……
あの三人組の所に行くんだ。
それだけは、させたくない。
「アッシュ、絶対に誰にも君を傷つけさせない」
俺は明日に向け、覚悟を決めた後、もう一度アッシュの腕の中で眠りについた。
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沖田さくら(プロフ) - 佐久菜さん» コメントありがとうございます！一気見して下さったんですか？！嬉しいです！楽しんで読んで頂ける様、これからも頑張ります！ (2020年5月2日 9時) (
レス) id: 43edebc781 (このIDを非表示/違反報告)
佐久菜 - めっちゃ面白いです！つい一気読みしてしまいました笑これからも頑張ってください！ (2020年5月2日 6時) (レス) id: e5ff1d5bd2 (このIDを非表示/違反報告)
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