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story24 「スキップ」 ページ25

騒がしい皆が帰り、やっと一人になった病室。




俺はベッドから抜け出し、窓の外を見ていた。




そういえば、スキップは無事だったんだろうか。





急所は外してから大丈夫だと思いたいが……。







「今日、聞けばよかったな」





独り言の様に呟くと、後ろの扉がガラガラと開く音がした。





ん?今日の検査は終わったはずだけど。




疑問に思いながら振り返ると、ついさっき思い浮かべていた人物が目を丸くして俺を見ていた。






「……A?」

「スキ…プ…か?」





会った頃と同じ格好で、涙目になりながら扉の前で立ち尽くすスキップ。





よかった。




本当に生きてた。





未来を変えられた。





俺のこの、小さな力でも。




「Aぉお!!」

「スキップ!」





俺が両手を広げると、飛びつく形でスキップが胸の中に飛び込んできた。





「ッイって!」

「あ、ごめん!」

「いいよ、大丈夫。元気そうだな、スキップ」

「あぁ!Aもな!」




もう一度お互いが生きていることを確認するように抱き合った俺たち。




そして、俺はベッドにスキップは椅子に座って話を始めた。



どうやら、俺に面会する前はアッシュの所に行っていたらしい。





「はい、質問」

「なんだよ」

「どうして、命の恩人より先にアッシュなんですか〜そこが俺は納得いきませーん」

「当たり前だろ、ボスが一番に決まってる!」

「はい、何か萎えたので帰って下さーい」






ベッドに座りながら扉を指さし手を振ると、スキップは謝りながら刑事さん達が持ってきてくれたリンゴを剥いてくれた。




え、ナイフは何処からって?




それは、まぁ、スキップですから。






「そういえば、ボスがスゲーAのこと心配してたよ」

「俺?マジか」

「後で顔出してあげたら?」

「あーんー、気が向いたらね!」







剥いてもらったリンゴを食べながら、戻の外を見る。




少しでも気にして貰えたことが、正直嬉しい。




でもそれは、あの尋問室でも一件があったからだろう。





口止めをしておきたいのかもしれない。






「スキップ」

「ん?」





俺はスキップと向き合い、そっと頭に手を置いた。






「生きててくれて本当にありがとな」

「はぁ?!何だよ突然」

「いや?何となく言いたくなっただけー!」

「意味わかんねー!」





ドアの向こうで、そんな俺たちの会話を聞いている奴が居たことを俺たちは知らずにいた。

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沖田さくら(プロフ) - 佐久菜さん» コメントありがとうございます!一気見して下さったんですか?!嬉しいです!楽しんで読んで頂ける様、これからも頑張ります! (2020年5月2日 9時) (レス) id: 43edebc781 (このIDを非表示/違反報告)
佐久菜 - めっちゃ面白いです!つい一気読みしてしまいました笑これからも頑張ってください! (2020年5月2日 6時) (レス) id: e5ff1d5bd2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沖田さくら | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年4月28日 22時

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