story23 「英二の悩み」 ページ24
先生から軽く説明と、行動に関してのお説教。
そして入院期間についての話を聞いた後、俺に面会したい人が居ると言うことで俺は「誰だろう？」と頭を捻りながら、お客さんを待った。
ガラガラと扉が開き、姿を見せたのは、赤く目を腫らした英二だった。
「おっと、俺に会う前に号泣でもしてきたのかな？英二ちゃん」
「う、うるさいな！」
「ごめんってー！それより怪我の具合はどう？」
「大丈夫……俺なんかよりAの方が重症じゃん！」
「だねー！こりゃ参った！」
いつも通り、二人でふざけながら話をする。
こんなことも、今生きているから出来る事だ。
さっきアッシュの病室前で心の中に出た黒い感情は、きっと気のせいなんだ。
そうだ、気のせいだ。
「元気そうでよかったよ。それで何で泣いてたの？」
「それが……」
俺が笑顔で聞くと、英二がポツリポツリと話し始めた。
チャーリー刑事に頼まれて、アッシュが持っている切り札を渡すように説得に行ったらしい。
だが、説得するよりも前にアッシュの覚悟を聞いてしまった英二は結局何も言えないまま、戻ってきたらしいのだが。
「それの何が駄目なの？」
「え？」
「アッシュの話を聞いて、説得できないって思ったんだろ？なら仕方ねーじゃん！」
「でも……！」
俺はベッドから足を降ろし、英二と向かい合う形で座り直した。
少し傷が痛むが、そんなことはどうでもいい。
「俺はお前の話を聞いて、説得できなかった事よりもアッシュがお前に本心を話したことの方が重要だと思ったけど？」
「それは、そうだけど」
「それだけでも十分すぎる報酬だ！人の信頼を得るのは難しい事だから。だから、そんな不細工な顔いつまでしてるんだよ！そんな顔をこれ以上見せるなら……こうだ！！」
俺は英二に飛びつき、脇腹を全力でくすぐり始めた。
「ちょ、あははは！A、まって！！ アハハハ」
「うるせー！俺は今、英二にご褒美をあげてるんだ」
「アハハハ！はぁ…ご褒美って？」
「勿論、助けを呼んでくれたことの！おりゃおりゃ！！」
「アハハハ…！！もう、むりぃぃいい！ハハハハ！！」
病室中に英二の笑い声が響く。
あ、勿論。
その声を聞いて駆け付けた、伊部ちゃんと刑事さん達には「怪我人が暴れるな！」と全力で怒られたことは、言うまでもない。
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沖田さくら(プロフ) - 佐久菜さん» コメントありがとうございます！一気見して下さったんですか？！嬉しいです！楽しんで読んで頂ける様、これからも頑張ります！ (2020年5月2日 9時) (
レス) id: 43edebc781 (このIDを非表示/違反報告)
佐久菜 - めっちゃ面白いです！つい一気読みしてしまいました笑これからも頑張ってください！ (2020年5月2日 6時) (レス) id: e5ff1d5bd2 (このIDを非表示/違反報告)
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