story19 「ごめん」 ページ20
間に合わなかった。
俺とアッシュは駆けつけた警官に拘束され、身動きが取れなくなった。
「いってーってんだろ！」
「暴れるな」
「人の話を聞けよ！」
目の前で暴れるアッシュ。
俺は後ろで手を拘束されたまま、その光景を他人事のように眺めていた。
結局、一番大事な所で何も出来なかった。
意識が時々途切れそうになるのを我慢しながら、大人しく佇む。
「アッシュ！とA？！お前ら……」
「俺たちが殺したんじゃない！此処に来た時、マービィンはもう…「嘘つくんじゃねーよ」
アッシュの言葉を遮るように話しに入ってきたのは、アニメでも性格の悪い所を見せてくれたエヴァンスタインだった。
「よう、ジェンキンズ。管轄外までお出かけとは、相変わらず仕事熱心だな」
「あぁ、いや。彼は今、我々が抱えてる事件に重要な関わりがあるんだ」
「しかしこれは、俺の山だからな…何しろ殺人の現行犯だ」
「……ッ！」
二人がかりで取り抑えられているアッシュを見ると、その言葉に酷く傷ついた顔をしていた。
この刑事、裏切り者のクセにペラペラうるさいな。
「刑事さんみたいな、殺人顔した人に言われても心に響かな〜い」
「A？！」
チャーリーの驚きの声と、俺を見るアッシュの視線が突き刺さる。
辛い時こそ、冷静じゃない時こそ笑え。
「コイツは？」
「取り抑えた際コイツと共に居た日本人です」
「ほぉ、日本からわざわざ来て大変だなー色々と」
「だね〜。刑事さんみたいな、ニコチン臭い人と話すの本当に大変！」
罪にならない程度の嫌味を放ちながら、ニコニコ笑顔で笑い続ける。
「肝が据わった兄ちゃんだ。コイツも一緒に連れて行け」
「俺はやってねーって言ってんだろ！…クソッ」
「あぁ、優しく誘導してね〜痛いの嫌だから〜！」
そのまま俺たちはパトカーに乗せられ、警察署へと連れて行かれた。
上着で傷口が隠れているから、今は誰にもバレていないが、流石にこの長時間血を流し続けると体にも限界がくる。
隣を見るとアッシュが苦痛に耐える様に、何度も顔を歪ませていた。
俺は、一度だけアッシュの手をそっと握り「大丈夫だよ！」と笑顔を向けた。
この状況自体が大丈夫じゃないのだが、アッシュが笑えないなら俺が笑っていよう。
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沖田さくら(プロフ) - 佐久菜さん» コメントありがとうございます！一気見して下さったんですか？！嬉しいです！楽しんで読んで頂ける様、これからも頑張ります！ (2020年5月2日 9時) (
レス) id: 43edebc781 (このIDを非表示/違反報告)
佐久菜 - めっちゃ面白いです！つい一気読みしてしまいました笑これからも頑張ってください！ (2020年5月2日 6時) (レス) id: e5ff1d5bd2 (このIDを非表示/違反報告)
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