story11 「変な奴」 ページ12
〜アッシュside〜
取材という名目で来た三人の日本人。
そのうちの二人は子供かと思うほどの童顔で、話を聞けば俺よりも二つ上の19歳だと言う。
日本人は童顔が多いのか？
そんな疑問を持ちながら酒を飲み時間を潰していると、日本人の一人が「銃を持たせてほしい」と言ってきた。
最初は何か別の考えがあるのかと疑ったが、子供の様な真っすぐな目を見ていたら別の目的があるとは到底思えなかった。
そして、興味なさそうに俺たちを見ていたAは伊部という男に何か言われ、あろうことか「俺も持ちたーい」と言い出した。
カメラを持った男は頭を抱え、青ざめた表情で俺たちの様子を見ている。
変な日本人だな。
周りの奴らも張り詰めた空気を作り出し俺の返答を見守るなか「いいよ」と俺は、その変な日本人に銃を差し出した。
驚かされたのはその後だ。
黒髪の日本人はすぐに銃を次へと回したのだが、受け取ったAはさっきまでの興味なさげな顔から一変、周りの静けさにも気づかない程、興奮しきった顔で銃を見ながら、歓声を上げていた。
何だコイツ。
その姿を見て、俺が笑うとAは我に返った様に焦った様子で周りをキョロキョロとした後、遠慮がちに俺へと銃を差し出した。
「ご、ごめん！長く持ちすぎたよな……」
まるで捨てられた子犬みたいな顔で俺を見上げるA。
その態度に本当に自分よりも年上なのか疑わしくなる。
「別にいいよ。そんなに銃持てて嬉しかったんだ」
「当たり前だろ！アッシュが大事にしてる銃だぞ！嬉しすぎるに決まっｔ……」
少しずつ声が小さくなっていき、気づけば目の前に立つAは顔を赤くして、俯いていた。
そして、凄い勢いで手を上げ酒を注文するとスキップを連れ、逃げるように俺の傍から遠く離れた席へと移動していった。
「何だったんだ。今の…‥」
茫然とする俺をよそに、目の前の日本人二人はAの方を見つめている。
「Aがあんなに動揺する何て珍しい……」
「今のはビデオに撮っておきたかったな」
そんなに珍しいことなのか……。
それよりも、俺の脳裏にはさっきAが俯いた時に見せた顔が頭から離れない。
案外可愛かったな。
そんならしく無いことを考えてしまう程、あの表情は俺に衝撃を与えた。
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沖田さくら(プロフ) - 佐久菜さん» コメントありがとうございます！一気見して下さったんですか？！嬉しいです！楽しんで読んで頂ける様、これからも頑張ります！ (2020年5月2日 9時) (
レス) id: 43edebc781 (このIDを非表示/違反報告)
佐久菜 - めっちゃ面白いです！つい一気読みしてしまいました笑これからも頑張ってください！ (2020年5月2日 6時) (レス) id: e5ff1d5bd2 (このIDを非表示/違反報告)
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