story10 「俺たちは勇者」 ページ11
〜貴方side〜
アッシュの銃を持たせてくれと言った英二。
俺はその後ろで、二人の姿をただ眺めていた。
「ちょっと！A、いってきて！」
「えぇぇ、俺？英二だけ抜け駆けすんなよ〜俺も持ちたーい！」
「ちょっと！そういう事じゃないから！」
伊部ちゃんの言葉を無視し、俺も英二の隣に立つ。
俺たちを交互に見たアッシュは「いいよ」と軽く笑って銃を差し出してくれた。
「わぁ凄い、ズッシリ重いや。はい、A」
「ありがと！」
英二から銃が俺へと手渡され、慎重に受け取る。
目の前にはアッシュ、手元には愛用の銃。
今俺は、人生最高の時間を過ごしている。
「へぇー！これがアッシュの使ってる銃かー！カッコいい！スゲー！」
ガラにも無く興奮してしまった俺は、一人歓声を上げながら銃をマジマジと見る。
アニメでも出てきてたけど、これをアッシュはずっと大事に使ってるんだよな。
そんな物を今持ってる何て本当に夢みたいだ。
そして、「ハハ」と目の前から聞こえた声で俺は我に返り、俺は周りが静かであることに気が付いた。
え、何この空気。
あ、そうか。俺が大事な銃をずっと見てるから……。
「ご、ごめん！長く持ちすぎたよな……」
「別にいいよ。そんなに銃持てて嬉しかったんだ」
「当たり前だろ！アッシュが大事にしてる銃だぞ！嬉しすぎるに決まっｔ……」
「A？」
そこまで言って俺は思った。
初めて会った奴に、こんなこと言われたら普通に気持ち悪いじゃないかと。
俺は完璧に言葉のチョイスを間違ってしまった。
そう理解すると、次はその場に居ることが恥ずかしくなり、俺はカウンターに居るお兄さんに向かって高らかに手を上げた。
「お兄さん、旨いお酒一杯下さい！」
今はアッシュの顔を見れない。
何でかって？
めちゃくちゃ、顔が熱くなってるのが分かるからだ。
兎に角、その場から離れようと俺は此処まで案内をしてくれた少年の元に行き「ちょっと付き合ってくれ」とお酒と少年を引きずる状態で空いているテーブルに向かった。
story11 「変な奴」→←story9 「アッシュの目線」
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沖田さくら(プロフ) - 佐久菜さん» コメントありがとうございます！一気見して下さったんですか？！嬉しいです！楽しんで読んで頂ける様、これからも頑張ります！ (2020年5月2日 9時) (
レス) id: 43edebc781 (このIDを非表示/違反報告)
佐久菜 - めっちゃ面白いです！つい一気読みしてしまいました笑これからも頑張ってください！ (2020年5月2日 6時) (レス) id: e5ff1d5bd2 (このIDを非表示/違反報告)
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