帰途 ページ9
俺は、帰途につきながら、俺のマスターについて考えていた。
どうして、今まで弟子を取らなかったお方が俺を。
俺を選んだのには何か理由があるに違いない。
と思ったその時、背後から俺に剣を振り上げる気配を感じた。
カキンッ！
バンバ「っ…。誰だっ！」
？「やるじゃないバンバちゃん。
大事なことが済むと油断しがちなのに…さすがだわ。」
バンバ「な、なんだミオ姉さんか…。」
咄嗟に剣を受け止めた相手はミオ姉さんだった。
ミオ姉さんも家に帰るところだったらしい。
ミオ姉さんとは家路が同じ方向だから共に帰ることにした。
ミオ「関門試験お疲れ様。んで？どうだったの？」
バンバ「あぁ、おかげで……合格できた。」
ミオ「んもうっ！無駄な溜めはよして？
本当に？おめでとう、バンバちゃん！
日々の鍛錬の結果だね！えらいえらい！！」
バンバ「ちょっ！子ども扱いするな！礼は言うが…。」
ミオ「いいじゃない、バンバちゃんは私の弟みたいなもんだし♪」
そう言う問題では…。
ミオ姉さんは俺が何かすごい事をすると、俺の頭を撫でる。
それは小さい頃から変わらない。
もう大分成長したのだから、さすがに恥ずかしいのだが…。
合格を自分のことのように喜んでくれたミオ姉さんは話を戻した。
ミオ「ところでバンバちゃん、合格したのなら…。
マスターは誰になったの？」
バンバ「マスターブラックだ。」
ミオ「え…、マスターブラック…。」
ん？どうしたんだ？
周りと同じく驚いているのはわかったが…。
なんか周りの者とは違う驚き方だ。
まさか…。
バンバ「ミオ姉さん、マスターブラックと知り合いなのか？」
ミオ「え？う、うん。ちょっとね。」
バンバ「なら、マスターブラックってどんな人なのか
知ってる限りでいいから教えてほしいのだが…。」
そう聞くと、
タイミングが悪いのか、ミオ姉さんの意図なのか、
俺の家に着いてしまった。
ミオ「あ、あぁバンバちゃんの家着いちゃったわね。
マスターブラックのことは今度教えてあげるわ。じゃあね。」
バンバ「え…、あ、ちょっと。」
ミオ姉さんはそそくさと帰ってしまった。
俺、変なこと聞いてしまったのだろうか？
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