宿題 ページ14
俺はブライトさんに
己の心境の変化について熟慮してこいと言う言葉を頂き、
初日の稽古は終わりとなった。
気づいたら、ここに戻って来いと。
ちゃんと、待ってるからと…。
しかし…。
今まで、子どもの頃はいろいろ思ってたことはあるが、
大分成長してからは、自分の心のことなんぞ、微塵も考えてなかった。
ただ、地球の未来のためにと言う、
リュウソウ族の宿命に従って、黙々と剣を振っていた。
己の心と向き合えと言われても…。
どうしたら、自分の心に気付けるのだろう。
バンバ「ただいま戻りました。」
家に戻ると、いつも出迎えてくれる母さんの姿がなかった。
疑問に思った俺は、中へ。
後ろから父さんが話しかけてきた。
父「もう帰ったのか、バンバ。」
バンバ「あ、父さん…。母さんは？」
父「サワは寝ている。
それはそうと、やけに帰ってくるのが早かったのは何故だ？」
バンバ「っ…。」
こっちは母さんの心配してるって言うのに…。
仕方なく俺は、ブライトさんのお達しを話す。
すると聞いた父さんは…。
父「ふん！そうやって弟子の稽古につかんで、
現を抜かしたいだけなんだろ、お前のマスターは。
そんな奴の弟子なんて、俺の顔がたたん。」
バンバ「一度も会ってないのにそんなことを…。」
父「お前だって、一度しか会ってないではないか。
そんな奴の弟子なんか辞めて、師事するマスターを変えるべきだ。」
俺は、そう強く言う父さんに納得がいかず…。
バンバ「マスターは地球を守るにあたって、
俺に足りないものは何か考える時間をくださったんだ。
それを蔑ろにして、マスターを変えることはしない。」
父「……。好きにしろ。」
そう言った父さんは、自分の部屋に入ってしまった。
母「バンバ、帰ってたのね？
もう、お父さんと喧嘩してるから、びっくりしたわ…。」
バンバ「す、すまん、母さん…起こしてしまって。」
母「いいのよ。私はこの通り！」
バンバ「…。」
不穏な空気の中の母さんの優しい顔は逆に俺の胸をキュッと締め付けた。
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