銀魂 真選組の天涯秘蔵 【完】

８０話＊ ページ30

気付いて…誰か早く、速く気付いて……！
お願い！

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A「廃刀令のご時世に、刀なんて持っていていいんですか？」

ニヤニヤと、低俗な視線を送り続けている輩。
気持ち悪い。
そんなに見られてると吐き気がしてくる。

ー「いいんだよ、お嬢ちゃん。そんなこと言ってもよぉお嬢ちゃんだって帯刀してんじゃねぇのよ」

……ダルダルと喋るその物腰、私のことをお嬢ちゃんと呼ぶその言い方。
やめてくれないかな。
偉そうな男も、取り巻きの輩も消えて欲しい。

A「この刀を、あなたたちの薄汚い刀一緒にしないで。兄さんから貰ったんだから」

総にぃから貰ったこの刀、神楽ちゃんと背中を守りあった刀、伊東さんの一件の時に士道を通した刀…

一緒にしないで貰えないかな。虫唾がはしる

A「……め…よ…」

ー「んあ？何言ってんだ嬢ちゃん」

A「何回でも言う…

やめろって言ってんだ！
この刀を、あんたらと一緒にすんじゃねぇって言ってんのがわからないのか！」

銀さん、あなたの言う通りだった。
私、敬語を外すと毒吐くみたい。

敬語は敬う相手に使うものだって、昔退兄さんが教えてくれた。
でも、こいつらに付ける必要ないよね。


ー「兄貴ぃ、こいつぁとんだじゃじゃ馬ですよ。ナメた口聞いてんじゃねぇ！」

A「じゃじゃ馬で結構。避けてくれます？帰りが遅いと兄さんたちが心配するんで」

「へぇ、肝据わってんじゃねーか。ただし、兄さん兄さんってブラコンかぁ？今時珍しい」

A「…それ以上口開かないでくれますか。
それに、兄さんたちは親同然だ。軽く言わないで貰いたい」




「親、ねぇ。

本当の親の顔も知らねぇんだろ？

捨てられっ子のAちゃん」



い、今……

ナンテイッタ？


A「どうしてお前がその事…」

「知ってるさぁ、“ フミ ” の野郎が勝手にどこぞに置いて来ちまった時は驚いたねぇ」

誰、誰だよ…誰なんだよお前！
誰なんだよ……フミって！？

内心穏やかに保てない。
思考回路がショート寸前になるほどだ。
脳が焼ききれそう。


「お前は首もすわってないガキだったなぁ。
その様子だと、おふくろの名前も知らねぇみたいだから教えてやるよ。


お前の名前は、藤堂 A。

お前の母さんは藤堂 フミってんだよ」

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