銀魂 真選組の天涯秘蔵 【完】

７８話＊ ページ28

土方side

Aは…どこいったんだ？!


遊びに出てから半日、屯所内が騒然となるのも無理はねぇ。

ここ最近は静かだったAの周りのハエどもが動きやがった。



事の発端とそれを知ったのは、監察からの報告だった。


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

毎日が騒動の連続だが、ここ最近は浮き足立った奴が多い。
そのせいで俺が書く始末書の量は常軌を逸していた。

特に多いのが一番隊。

隊長を筆頭に町破壊を常として いる。
バカかあいつらは…
特に総悟、お前バズーカ打ち過ぎだ。

新聞に載ることしばしだが、反省の様子がまるでねぇ。

俺の始末書が増える一方だろうが…


ため息まじりに机に向かう。

監察からの報告があったのはその時だ。



_____副長、暁組が動きました。接触もあるかもしれません。


咥えていたタバコを机に落とした。

大人しくなっていたんだ、ここ最近。

いつまでもぬるま湯が続くわけねぇし、いつかケリつけなきゃいけないとは肝に銘じていた。


しかしよ、空気読めやクソバエ共が。

あいつ、Aは今一年で一番笑顔が多いんだよ。
今年は知り合いも増えて沢山のやつに祝ってもらえてよ、幸せそうなんだぞ。


いつもはどこか寂しさの顔に出る誕生日だって言うのに。

今年はそんな事微塵も感じさせねぇ。

邪魔してんじゃねぇよ、あいつらの幸せを。


タバコに火をつけ直し、奴の携帯に電話をかける

『はい、沖田。何の用ですかィ？土方さん』

土方『……奴らが動いた。A探して怪我なく連れ帰ってこい』

沖田『土方さんは人使いが荒くていけねェや。………一番隊動かしますぜィ。Aの事だ 、行く前に抜刀してなきゃいいんですけど』

土方『その為にあの脇差に細工したんだろ。いいから早く連れて帰ってこい』

電話は奴の鼻で笑った声を最後に切れた。
あいつの事だ、きっと二人一緒に帰ってくんだろ。

７９話＊→←７７話＊ 修正

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す