銀魂 真選組の天涯秘蔵 【完】

６９話＊ ページ19

公園のベンチに腰掛けて間もなく、前方からには番傘をさした少女のシルエットが見えたきた。
約束の時間よりも少しばかり早かったか。こちらに気づくと走ってやってきた。

神楽「Aちゃん！待たせしちゃったアルか？！」

A「そんなことないよ。今来たところだから」

待ち合わせの際によく交わされるやりとりの末、ようやく二人で腰掛けた。

神楽「誕生日おめでとうアル。今日じゃないかもしれないから毎日でも言うネ！」

ニカっと笑いながら嬉しいことを言ってくれる。
考え方は兄さんたちと同じだけど女の子、それも神楽ちゃんに言われるとなんだかすごく嬉しい。

A「ありがとう、とっても嬉しいよ。今日は一緒に遊んでくれるし、お礼してもしきれないよ」

神楽「そんなことないネ。Aちゃんには私も銀ちゃんも新八も世話なってるアル。楽しんで来いって銀ちゃんにお金もらってきたヨ」

じゃらっと重みのある音が出る財布を取り出してみせる…銀時さんに悪いよ。
わざわざお金だなんて。でも遠慮したところで引き下がるわけない。

今日くらいはお言葉に甘えさせてもらう。

A「今日ね、すっごい楽しみにしてたんだ。神楽ちゃんと遊びたくてしょうがなかったんだから！」

外出禁止令などで何回か流れた約束もあったため、今日が楽しみで仕方がなかった。

大好きな子に手を引かれ、かぶき町へと駆け出した。

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