GIRLS FILE(4) ページ6
キャロルと蛍、まだこの二人としか会っていないが、どちらも非常に魅力的な女性だ。
もしかすれば、どちらかが将来自分の伴侶になるかもしれない。
イメージはまだ沸かないが、その可能性も十分にあることを忘れてはいけなかった。
『白上蛍(23)/ファッションモデル』
ーーーーーーー
3/10
比較的普通そうな娘だな、と感じたのは、先程の二人が極端に派手な女性だったからか。
リムジンから降りてきた彼女は、綾瀬の姿を認めて緊張したようにぺこりと頭を下げた。
特別惹きつけられる点は無いが、やはり可愛らしい女性だ。
いや、女性というより少女と形容した方が妥当かもしれない。
小柄な体躯と大きな瞳、普通と言っても別段地味という訳でも無い。
都市の洒落た女学生といった雰囲気だ。十分美少女の資質を備えている。
内気そうなイメージに違わず緊張しきりといった様子なため、ひとまずは綾瀬の方から口を開いた。
「初めまして、綾瀬悠真と言います。君は?」
無難な切り口で向こうにも自己紹介を促すと、彼女はようやく顔を上げた。
「え、と……はい、自己紹介ですよね。茅原夏芽です」
大学生です、と付け足した夏芽に在学している学校を聞くと、日本でもかなり名の知れた有名校だった。
ソツの無い優等生として過ごしているのがありありと想像出来る。
姿勢や言葉遣いが丁寧な様子からも、聡明なだけでは無い育ちの良さが伺えた。
「偉いなぁ、俺なんか勉強は早々に捨てちゃったから……」
自らの奔放な大学時代を思い出し、綾瀬は苦笑した。すると夏芽は、
「私は、ただ真面目なだけです。勉強くらいしか取り柄が無くて、夢とかも全然無いし」
ふるふると首を振って否定した夏芽は、意を決したように口を開いた。
「だから、どうしても綾瀬さんに会いたくて……」
言葉がどう繋がっているのか分からず一瞬首を傾げた綾瀬に気付いたのか、
「す、すみませんっ、色々飛ばしましたっ」
顔を真っ赤にしてあわあわしている夏芽の挙動が可愛くて、綾瀬は思わず笑みをこぼしてしまう。
「大丈夫大丈夫、落ち着いて話してみて。俺はちゃんと聞いてるから」
「……はい、面目ないです」
息を吸って吐いてした後に、夏芽は改まって綾瀬の方を見据えた。
「綾瀬さんは、凄い人じゃないですか。私と同じくらいの年齢の時に劇団を立ち上げて、それだけでも凄いのに、今は皆が知ってるような有名な劇団になってて」
8人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
亜月 - aicoさん» ひゃぁぁあありがとございます、、、(歓喜)頑張ります……めちゃくちゃ亀投稿になりますが愛は込めます……() (2021年10月26日 23時) (レス) id: 1f8ff7c796 (このIDを非表示/違反報告)
aico(プロフ) - めちゃくちゃ面白そう!!!!更新待ってます〰️💖 (2021年10月23日 2時) (レス) @page1 id: c055a15964 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:九重 | 作成日時:2021年10月2日 19時