天使で女神な谷崎家の長女1【完】

太宰の謎 ページ22

「無駄だ小僧。武装探偵社七不思議の１つなのだ、こいつの前職は。」

『聞いても教えてはくれませんしね。』

「謎が多い男の方が魅力的だろう？」

そう云って太宰はAにふふっ、と笑いかける。

「最初に中てた人に賞金があるンでしたっけ。」

「そうなんだよね。誰も中てられなくて賞金が膨れ上がってる。」

「俺は溢れ者の類だと思うが、こいつは違うと云う。しかしこんな奴がまともな勤め人だった筈がない。」

「ちなみに賞金って如何程…」

「参加するかい？賞典は今…

…七十万だ。」

ガタッと敦が飛び跳ねる。そんな彼にビクッと驚き怯むのは谷崎。

そして

「中てたら貰える？本当に？」

「自 殺主義者に二言はないよ。」

そこで敦のスイッチが入る。

「勤め人」

「違う」

「研究職」

「違う」

「工場労働者」

「違う」

「作家」

「違う」

「役者」

「違うけど…

役者は照れるね。」

敦が次々と思い当たる職種を云っていくも当たらない。そこで彼はネタ切れ。

「うーん、うーん…」

「だから本当は浪人か無宿人の類だろう？」

「違うよ。この件では私は嘘など吐かない。

うふふ降参かな？じゃあ此処の払いは宜しく。」

「あっ！」

ピピピピピピ、とそこで谷崎の携帯がなる。


「ハイ。

……え？依頼ですか？」

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