天使で女神な谷崎家の長女2

優しい光景 ページ29

『！！おさむにいちゃ…！』

「そんなに泣いてしまって。よほどこの男が怖かったんだね？大丈夫、君の正義の味方(ヒーロー)がいるから」

現れた男…太宰は優しく彼女に微笑む

そして

「っ、はなせこの優男！！邪魔をするな！」

「優男とは失礼だね君。まあ、もう何もできないだろう？観念することだね」

「っ、貴様のような男…俺の異能で…ッ

!?な、なぜ…発動しない？」

男は反撃しようと異能の発動を試みるが、失敗に終わり動揺を隠せない

「それを君が知る必要はないよ。さて…君には聞きたいこととしてもらいたいことが山ほどある。

来てもらえるね？」

太宰が恐ろしい笑みを浮かべ、男を連れ出す

「姉さん！大丈夫！？怪我はない！？」

谷崎は慌てて姉に駆け寄る。Aをいつものように姉さんと呼んでしまうほどに混乱しているらしい

『っ、うん…ふぇ…』

「姉様、あの男に怒鳴られてしまって怯えてしまったんです。でも、手出しはさせませんでしたわ」

「そっか…ありがとうナオミ、姉さんを守ってくれて。でも、ナオミも危なかったんだから。ちゃんと自分のことは大事にしなきゃ…」

「姉様を守るためでしたら私は何でもしますわ！兄様だってそうでしょう？」

「…そう、だけど」

「だったら兄様は私のことを叱れませんわね！あ、姉様、怖い思いをしたでしょう？ホットミルクでも飲んで落ち着きましょ？」

やはり妹には敵わない谷崎

…二人共無事だったため、今回は何もいわないでおこう

そんな思いで二人を眺める

『ナオミおねぇちゃん、はちみつもっと！』

「もう、はちみつは一杯だけと云ったのに姉様ったら……特別ですよ？」

あんなにも微笑ましい、優しい光景が見られるんだ、今は何の文句もない

そんな思いで谷崎は部屋を後にし、太宰が連れて行った男の元へ向かった

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