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ヒーロー ページ24

『おいしっ』

「それはよかった。私のも食べるといい」

『いいの?じゃあ私のもちょっとだけあげる!』

とある喫茶店で、2人はパフェを食べていた

先程までの泣き顔は一転、幸せそうな顔でパフェの生クリームを頬張る彼女に太宰は笑みを浮かべて眺める

「それならもらおうかな」

『あーん』

太宰は驚く

まさか、自分からあーんをしてくれるなんて

幼いAからすれば、弟に食べさせてあげるのと変わらないのだろうがそれでも太宰は満足だった

口をあけると入ってくる苺とクリーム

とても甘く、クラクラしそうな甘さだった

『おいしい?』

「うん、とっても。ありがとうAちゃん」

『えへへ。おさむにいちゃんは私の正義の味方(ヒーロー)だから、特別だよっ』

「?正義の味方(ヒーロー)…?」

『うん!だって、私のこと助けてくれたから。ヒーローってね、困ってる人をたくさん助けてあげるんだよ。それでね、泣いた顔も、笑った顔にできるの!魔法使いみたいでしょっ』

純粋な子供の言葉は、太宰の胸に刺さった

自分はかつてポートマフィアの幹部で、ヒーローとは無縁の…むしろ悪役のようなものだった

人を救うどころか、人を陥れることばかりしていた

それが、この少女は今自分をヒーローだと云った

"救う側になれ"

これはかつての友人の最期の言葉

そこに、少しでも近づけたのではないかと思えた

「私が、君のヒーローになってもいいのかい?」

『うん!』

「…ありがとう、A」

この目の前の少女に救われたのは、紛れもなく自分だ

救う側というものがわからなかった

だから、いつだって不安だった___自分のしていることは、本当に合っているのかと

しかし、この少女は自分を認めてくれたのだ

救うつもりが、救われる側になっていた

Aはそんな女だった

姿が変わっても、小さくなっても、記憶をなくしても…きっとこのAという女性は必ず自分を救ってくれる

だからこそ、惹かれて止まない

『私ね、正義の味方(ヒーロー)さんのお嫁さんになるのが夢なの』

「どうして?」

『だってね、正義の味方(ヒーロー)さんと結婚したら、毎日笑ってられるから!だから____』

その後に続く言葉に、太宰は心底驚くことになる

『私、おおきくなったらおさむにいちゃんのお嫁さんになる!』

約束→←迷子の迷子の長女ちゃん



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血華 - 凄く面白いです!これからどうなっていくのか楽しみです。頑張ってください! (2018年2月17日 20時) (レス) id: d91252218e (このIDを非表示/違反報告)
あごが痛い人 - めっちゃ面白いです。はまりました。応援してます (2017年12月9日 22時) (レス) id: 9e1034413e (このIDを非表示/違反報告)
アオバ(プロフ) - 更新楽しみに待ってます!頑張って下さい!! (2017年9月16日 15時) (レス) id: fe1cd93ac0 (このIDを非表示/違反報告)
アネモネちゅん(プロフ) - ペケさん» 落ちに重要な事件をこういう形で入れさせていただきました!可愛らしい長女ちゃんを堪能いただけたらなあと思います!更新頑張りますね!!応援ありがとうございます♪ (2017年6月27日 8時) (レス) id: 8f7d411042 (このIDを非表示/違反報告)
ペケ - おおおお!ろ…ロリ化ですね?!かわいい!いつも更新お疲れ様です〜頑張ってください。のんびり見にきやーす☆ (2017年6月26日 21時) (レス) id: 533b2b043e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アネモネちゅん | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年6月13日 6時

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