Unanswered morning glowy(Daisuke.S) (ページ10)

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Unanswered morning glowy(Daisuke.S)１０ページ10

医務室に深澤が現れたのは
佐久間と一緒に晩御飯を食べた約半月後の
とある陽気の良い日だった。

「せんせー、頭痛いんですけど、薬って貰えます？」

Aにも見覚えがある、深澤が身につけている黒のジャージは
彼の人がレッスンの時によく着ていたもので
見れば深澤の首筋にも汗が見えた。

「今日はレッスンでした？
　だとしたら、ちょっと休んでみるのも１つだけど。
　ベッドも空いてますし。」

Aが視線でベッドを示すと
深澤は待ってましたとばかりにベッドへと腰掛けた。

「お水飲みます？」
「あ、うん。貰っとこうかな。」
「はーい。
　眠るなら、時間教えてくれたら起こしますけど。」
「んーん、眠くはないから大丈夫です。
　それより、気紛らわしたいから
　少しお喋り付き合ってくれません？」

渡されたペットボトルの蓋を開けて
一口飲んだ深澤は、口元こそ笑っているが
Aの一挙手一投足を見つめる目は笑っていない。

「…内緒話、ですかね。
　誰か来るまでで良ければ、どうぞ。」

深澤の表情から察したAが嘆息して
部屋のドアを閉めにいこうとドアを見れば
既にご丁寧に鍵まで閉まっているのだから
やられた、としか言いようがない。

さすが深澤くん。

深澤を振り返ると、ペットボトルに視線を向けて
笑みの消えた険しい顔をした彼がいた。

「大丈夫。言いたいこと、そのまま言ってくれて。」

Aは自分の椅子を深澤の前に引っ張ってくると
腰を下ろして、ゆっくりと息を吐いて笑って見せた。