Unanswered morning glowy(Daisuke.S) (ページ28)

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Unanswered morning glowy(Daisuke.S)２８ページ28

佐久間がデビューして、しばらくして
浮ついた熱が冷めた頃。
ただ佐久間のデビューを応援して突っ走っていた足を止めて
周囲を見回す余裕ができてしまった時。

自分だけが、何も変わっていないのだと
変われないのだと、ふと気付いてしまったのだ。

結婚やその先の話が出てくる友人も増えてきて
生涯を考えられる人のことを話す彼女たちの眩しさは
なんとも形容し難いものがあった。
それだけなら、これまでと変わらなかったはずだった。
ただ、佐久間のデビューが決定して
その後の目覚ましい彼らの活躍は、確かにAを困惑させた。

「友達は、結婚とか、次のステージにきちんと進んでて
　大介は、今も目標持って、頑張ってて、結果も伴ってて。
　私だけ、何にも変わってなくて。
　このままで良いのかなー、
　それで、最後まで私は幸せで居られるのかな、って。
　大介と居ることを、後悔する日は来ないのかなって、思っちゃったの。」

その疑問が、段々と影を濃くして
Aの心を蝕んでいくのに、そう時間はかからなかった。

他の道を選べば、もっと。
今なら、まだ。

そんな風に、佐久間の隣よりも、自分の未来の幸せを選ぼうとする自分が
とてつもなく、嫌だった。
デビューしてからも、佐久間は優しくて
Aが辛い思いをしないように、心を砕いてくれているのに
自分は、自分の心配しかしていない。
こんな人間が、佐久間の隣に居て良いわけもない。
でも、疑問は消えないどころか
日に日に、やはり現状は間違っているのでは、という思いが強くなる有様で。
それでも、佐久間が好きで
佐久間の隣に居たいという思いも消えてくれない。

佐久間の隣に居れば、いつだって幸せになれると信じたいのに
友達から、幸せな恋人の話を聞く度に
ステージで輝く佐久間の笑顔を見る度に
暗い気持ちは膨らんで。

目の下に隈を作ってまで、自分に時間を作ってくれる佐久間を見る度に
自分の身勝手さに申し訳なさが募って、胸が痛いのに
佐久間が隣に居ることが、当たり前になって
離れた未来を想像することも難しくなってきて
相反する自分の気持ちの落差に、気が狂いそうだった。

でも、そんなこと、誰にも言えない。
答えなんて、分かり切っている。
Aが自分で、天秤にかけて
自分で選んでいくしかないのだから。

それは、Aだけに限ったことではなく
誰もが、そうやって自分の未来を自分で選んで決めているはずで。