Unanswered morning glowy(Daisuke.S) (ページ24)

今日:10 hit、昨日:66 hit、合計:42,682 hit

Unanswered morning glowy(Daisuke.S)２４ページ24

エンジンを切ってから、佐久間を振り向くと
不自然に揺れた佐久間の目と目が合った。
少し怯えたような、傷ついたような。
その意味を悟ると、Aは、また指切りするように、小指を立てた手を振って見せて
出来る限り、自然に笑って見せた。

「今回は、私もちゃんと話したいから。
　５分後には、お部屋に行くね。」
「…うん。うん。部屋の中で、待ってるから。」
「うん。」

佐久間の背を見送って、スマホで時計を確認しながら
３ヶ月前のあの日を思い出す。

あの日で終わらせよう、とAは初めから決めていて
最後になるなら、楽しい時間で終わらせたかったし
未練がましい自分から、佐久間を離させるには
２度と戻れないくらい、彼を傷つけて終わらせるのが最適解だと思っていた。
あの選択が間違っていたかと言われると
正直なところ、分からない。

佐久間の性格を読み切れず、部屋まで行く羽目になったことで
まさかの片思い再開宣言をされたことは、完全な誤算だったが。

Aは車のドアを開けて、３ヶ月ぶりに訪れる佐久間の部屋へ足を向けた。