Unanswered morning glowy(Daisuke.S)25 ページ25
Aがチャイムを押すと
シャワーの準備をしていたのか、
バスタオルを手にした佐久間に出迎えられる。
「お邪魔します。」
「うん。
すぐシャワー浴びてくるから、ちょっとだけ待っててくれる?
テレビ、観ててくれていいから。
A…、が観てる途中だった、アニメのDVDも置いてるし。」
「ありがと。」
とはいえ。
リビングのソファに座ってみたものの
テレビを観る気にも、
増してや、萌え萌えキュンキュンなアニメを観る気にもなれず
Aはスマホにイヤホンを繋げて
車内で流れていた、彼らの新曲をかけて目を閉じた。
どこから彼に話すのが良いのか。
深澤と話をしてから、ずっと考えて
何度も何度もシミュレーションした。
どんな風に伝えるとしても、やはり胸が痛くて
その度に彼らの曲を聴いて、自分を鼓舞した。
ちょうど佐久間のパートに差し掛かるというとき
廊下をパタパタと走る音が聞こえて
まだ髪から雫をポタポタと落とす佐久間が
慌てたようにリビングの扉を開けて
Aを見つけると、あからさまにホッとした顔をしていた。
「…テレビの音とか、全然、聞こえなかったから…。」
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作者名:Y.Harumizu | 作者ホームページ:http://beautifulvitamin.yukihotaru.com/
作成日時:2023年3月25日 17時