Unanswered morning glowy(Daisuke.S) (ページ17)

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Unanswered morning glowy(Daisuke.S)１７ページ17

深澤と冷たい牛丼を食べた日から
認められなかったことを、認められた安心感からか
佐久間の心は少し穏やかになった。

穏やかになったというと、語弊があるかもしれないが
寂しさと不安を認めたら、何かが終わってしまう恐怖が
少し減ったような気がしていた。

その代わり、なのかは定かではないが
ただでさえ短い睡眠時間が、更に短く、浅くなっている自覚はあった。
不安に圧し潰されて、という感覚はないが
気付いたらふと意識が落ちていて、ふとしたときにはもう目が覚めている。

だからといって、日中体が辛いかと言われるとそうでもなく
そういう時期もあるかと、自分の体調を佐久間が持て余していたある日。

レッスン室から更衣室へ向かう途中、飲み物を買おうと自販機へ向かえば
医務室の前から聞こえる、大好きな声に自然とそちらに顔が向いてしまう。
そこにはやはりAの姿があって、自然と綻ぶ口元をタオルで隠す。
会話の全ては聞こえないが、スタッフと談笑して肩を揺らす姿に
やっぱり好きだなあ、と思う。

このふわふわとした気持ちを、他になんと表現したら良いか分からないが
胸がじんわりと温かくなるこの気持ちは、やはり手放したくない。
手放せそうにもない。
ふ、と、佐久間の視線に気付いたかのように
Aが佐久間に顔を向けて、ゆっくりと、確かに目が合った。

そういえば、誰かのツアーに同行すると言っていたAの顔を見るのは、久し振りだな、と
思ったのと同時に、ふっと佐久間の視界は暗転して
プールの底から外の音を聞く時みたいに、遠くからAが自分の名前を叫ぶ声が聞こえた。