Unanswered morning glowy(Daisuke.S) (ページ11)

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Unanswered morning glowy(Daisuke.S)１１ページ11

「まず、今日来たのも、Aさんと話すのも俺が勝手にやってることで
　あいつは知らないし、何か頼まれたわけじゃないっす。」
「うん。」
「２人が別れて、アイツが諦め悪く頑張ってるってことしか
　あいつから聞いてないし、それも、俺と照が無理矢理聞き出したんです。」
「そっか。」
「別れた理由も言わないし、ただ諦めないってだけ。」
「うん。大丈夫。わかってる。」

敢えて名前を出さないのも
深澤１人で来たのも
深澤の自己満で来たのだと言い募るのも、彼なりの気遣いだと分かっている。
そんな優しい深澤に、きっと佐久間は
自分が告げた別れの理由を言わないのではないかと、Aも思っていた。
意地とかではなくて、単に、あの別れ話をそのまますれば
きっと深澤は怒って、佐久間を心配して、Aのことを嫌いに思うだろうから。

深澤はスッと息を吐いて
しっかりとAの目を見据えて、ゆっくりと口を開いた。

「今回の件、詳しくは分からないですけど
　正直、止めときゃいいじゃんって俺とか照は思いました。
　でも、あいつが諦めないって言うから
　俺たちはあいつを応援することに決めました。
　決めたことには頑固な奴だし。」
「うん。」
「止まったら死んじゃうような奴だから。
　あいつなりに何か決めてから、覚悟を決めてから
　ずっと頑張ってる、と思います。
　詳しいこと分かんない俺たちから見てもわかるくらい
　頑張ってると、思います。
　………ゴールも分かってないまま、がむしゃらに。」

深澤の手が震えて、ペットボトルの中の水が
ちゃぷ、と音を立てた。

「あいつ、体力お化けだし、エネルギーの塊みたいなやつだけど。
　ゴールが見えない努力は、正直、かなり、しんどいです。」

その言葉は、今回の佐久間のことだけではなく
過去の彼らの思いを重ねているように、Aには聞こえた。

長い長い下積み時代、未来が見えないまま
ゴールを約束されることのないまま、努力を重ねた当時の辛さを
Aはずっと佐久間の横で見ていたから。

「今、自分がやってることが正しい方向を向いてるのか、
　今の、努力が報われる日がくるのか、
　結果に繋がるゴールがどこなのか。
　……分かんないまま頑張るしかないっていうのは、きついです。」