Unanswered morning glowy(Daisuke.S) (ページ12)

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Unanswered morning glowy(Daisuke.S)１２ページ12

ペットボトルを握った片方の手首を握りしめている、深澤の手は白くなっている。
自分の身勝手な思いは、佐久間だけではなく
佐久間の大切にしている、この人も傷つけてしまっているのだと
勝手に痛む心臓すら、申し訳なく思えて
自分が嫌で、Aはただ、言葉を失くした。

「佐久間と元鞘になってくれとは、言わないです。
　佐久間の努力を汲んでほしいとも、言わないです。」

ベッドから立ち上がった深澤が
腰を折って、頭を下げた。

「深澤くん！？」
「でも、できるなら。
　できるなら、佐久間が納得できるように
　アイツにちゃんと、全部、話してやってくれませんか。
　アイツがアイツなりに、ゴールを見つけられるように。」

頭を下げる深澤に慌てて、Aも立ち上がり
その肩を手で押すが、深澤は頭を下げたまま、言葉を続ける。

「佐久間に話すことが、Aさんにとっては
　辛いことなのかもしれないし
　聞かない方が佐久間は幸せだって
　思ってくれてるのかもしれないけど。
　何を頑張ったらいいのか分かんないまま
　佐久間が努力して、諦められなくて
　止まれなくて、悩んでしんどい思いしてるの、もう、見たくないんです。
　部外者の俺に言われたくないと思うけど
　……お願い、します。」

触れた肩から、深澤が震えているのが伝わってきて
辛いのは自分ではないはずなのに、零れそうになる涙をぐっとAは堪えた。
ここで自分が泣くのは、絶対に間違っている。

まあ、正しいことなんて、何１つできていないかもしれないけれど。

短く呼吸を整えると、Aはもう１度深澤の肩を押して
下げた頭を上げさせてから
今度は、自分が深く頭を下げた。

「本当にごめんなさい。
　こんなこと言わせてしまって、深澤くんにも佐久間くんにも
　きっと岩本くんにも、辛い思いさせてしまって
　謝ってすむことじゃないけど、本当にごめんなさい。」

今度は深澤が慌てる番で、え、いや、と
短い声を上げて、オロオロしているのを頭上で感じる。

「傷つけて、本当に、ごめんなさい。
　すぐにとは言えないけど、ちゃんとする。
　…本当に、ごめんなさい。話してくれて、ありがとう。」
「Aさん…。」
「大丈夫、とは言えないし
　結果がどうなるかは分からないけど。
　私も、……覚悟を決めるね。」

そう言って笑ったAの笑顔が、ひどく弱々しく見えて
深澤は、わかりました、と返すことしかできなかった。