Unanswered morning glowy(Daisuke.S)31 ページ31
「Aが言うような、所謂、普通の幸せ、みたいなやつ
俺じゃ、すぐにはあげれないと思う。
いつかはって思うし、その相手はAしか考えられないけど
いつか、としか言えない。こんな男で、ごめん。」
熱いくらいのAの手を頬に当てて
また、ぽろぽろと涙を零すAの目を、どうか伝わってくれと願いながら見つめる。
「この先、絶対後悔させない、って、幸せにするって、言えない。
今でも、こんなに泣かせてるのに
Aを不安にさせないって、悔しいけど言えない。」
うまく言葉が出てこないのがもどかしい。
こんなに、感情が溢れているのに、ちっとも言葉にならない。
佐久間の大きな瞳から、ぽろり、と涙が零れて
Aの手を濡らした。
「でも、Aと離れるの、正解だと思えない。
3ヶ月、辛かった。しんどかった。
間違いなく、幸せじゃなかった。
だから、もし、まだ、Aの中で
答えが出てないなら。
…俺と一緒に居ることが、Aの幸せの選択肢に残ってるなら
答えが出るまで、…一緒に居させて。」
頬に当てていたAの手がもう1度引かれて
今度は佐久間が顔を歪めて、それでも離したくないというように
Aの指先を追ったが、するりとAの手は抜けてしまった。
「大介。」
「俺、頑張るよ。
不安にさせないように、幸せにできるように
今まで以上に、俺、頑張る。
Aは覚悟が足りなかったって言ってたけど
それなら、俺もだよ。
今、Aに断言してあげられない。」
「そんなの、」
「だから。だからさ。
…一緒に、覚悟、決めていこうよ。
それで、一緒に、さっきの答え、探していこ…?」
一緒に居て、最後まで幸せで居られるか。後悔しないか。
その答えをいつ出せるか、分からない。
先にAが自分に見切りをつけてしまうかもしれないし
自分が先に、Aに安息を約束出来る日がくるかもしれない。
何の答えも約束もあげられないけれど。
どうか。
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作者名:Y.Harumizu | 作者ホームページ:http://beautifulvitamin.yukihotaru.com/
作成日時:2023年3月25日 17時