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九十二、 ページ7

敦「ッ……何だッ?!」




此の釦を押したら、爆弾は止まるんじゃなかったのか?!




敦「爆弾を外すんだっ!」





時間は?!あとどれくらいある…?




鏡「間に合わないっ」






そう呟くと、女の子は僕の両肩を押すようにして扉の前に立った。


…矢張り僕は馬鹿だ。其の細い腕に押された時、僕は漸く気付いた。
彼女の異能力は、何時も携帯からの声で動いていた。

彼女は、自分の異能力を自分で操れないんだッ……!




鏡「…私は鏡花。35人殺した……。

もう此れ以上、一人だって殺したくないッ……!





其れは、彼女が僕に初めて自身の感情を露わにした時だった。
涙を流し、彼女は僕に訴えた。





…其処からは、身体が勝手に動いた。考える間も無く、自然に。
乗客全員を守ろうとした彼女が取った行動は、爆弾を身体から外す事無く 自らと共に海へ落ちること。
‘一人だって殺したくない’と云った彼女は、こうする事で罪を償おうとした。

海へと落ちる彼女を目にし、僕は夢中で異能力を発動し彼女を追いかけた。
同じく列車から飛び降り、空中で彼女から爆弾を無理やり剥がす。
そして、彼女が頭をぶつけないように抱きしめ……




[バァァン!!!]





爆発と同時に、海へ落下した。







・・・・・





・・・・・



何とかして彼女を岸まで運び、息を整える。
ふと彼女を見ると、何とか息をしていた。
本当に…良かった、と思った。


ゆらりと彼女が此方を向き、向かい合う形になった。



鏡「……あの…」




[バタッ…]




彼女が話し出した瞬間、僕は疲労で倒れこみ 意識を失ってしまった…。





・・・・・






・・・・・


_NO side_






マフィア私有地、地下牢獄。





芥「幾ら強くとも、駒は駒か…。
貴方は如何だ……?

駒か、指し手か…。
或いは……砕かれるのを待つ駒か」





そう呟く芥川の前には、鎖で拘束された太宰が居た。



・・・・・






・・・・・


同じく、マフィア私有地。




?「アンタが云ってた通りだ。此奴は、俺が探してた“諜報殺”で間違いねェ」



そう語るのは、少々低身長ながらも 其の身体全体からマフィアの風貌が窺える人物。



中「情報提供、感謝するぜ 広津さん」




其の男、ポートマフィア五大幹部の一柱 中原中也。



広「何、別件で一太刀交えただけだよ中原幹部。
君には昔から彼女を探すよう頼まれていたからね」



そう答えるは黒蜥蜴の広津だった。

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設定タグ:文スト , 国木田独歩 , 総仁   
作品ジャンル:アニメ
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総仁(プロフ) - 蒼い月さん» コメントありがとうございます! 文ストからしばらく離れた弊害ですね、思いっきり間違えてました( ; ゜Д゜) ご指摘ありがとうございました! (2018年9月5日 16時) (レス) id: 99e155bd2e (このIDを非表示/違反報告)
蒼い月(プロフ) - 更新頑張ってください!あと、中也さんの太宰さんの呼び方なんですが、クソ蛞蝓ではなく、クソ鯖だと思います。 (2018年9月5日 13時) (レス) id: 4d8d336456 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:総仁 | 作成日時:2018年3月19日 23時

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