6話 ページ7
……一体どんな恨みを買ったんだ。
「社員の私が行っても余計警戒されるだけか……。却説どうしたものか。」
そう言うと、太宰さんの目は此方を向いた。
向いたかと思うと、にやぁと笑う。
ゾクッ
俺らの背中に悪寒が走った。
「や、やややややめなさーい!親御さんが泣いてるよ!」
「やめなさーい!」
俺らは2人で爆弾魔を説得していた。
「な、何だアンタ等っ」
爆弾魔の声に、中島さんはビクッとなる。
傍目から見て、怖がっているのがわかった。
『社員が行けば犯人を刺激する。となれば、無関係で面の割れていない君達が行くしかない。』
これは、先程の太宰さんの言葉。
その言葉に、俺らの顔の血の気が引いた。
『むむ、無理ですよそんなの!』
『だ、第一どうやって……?』
『犯人の気を逸らせてくれれば後は我々がやるよ。――そうだな落伍者の演技でもして気を引いては如何かな。信用し給え、この程度の揉事武装探偵社にとっては朝飯前だよ。』
「お、俺らは、さ騒ぎをき聞きつけた一般市民……ですっ!」
「いい生きてれば好いことあるよ!」
俺らは必死で説得する。
足がガクガクするけど。
「誰だか知らないが無責任に云うな!みんな死ねば良いンだ!」
「ぼ、僕なんか孤児で家族も友達もいなくてこの前その院さえ追い出されていくあても伝手も無いんだ!」
必死の形相で中島さんが叫ぶ。
……よし俺も。
「俺だって、両親は四年前死んで色んな人のところを転々としたけど1ヶ月も持たずに毎回追い出されて……、今は保険金で生活してるけどそれもいつ無くなるか分からないし……。」
「え……いや、それは。」
爆弾魔がたじろいだのが分かった。
もう1押し
「害獣に変身しちゃうらしくて軍警にバレたらたぶん縛り首だし、とりたてて特技も長所も無いし誰が見ても社会のゴミだけどヤケにならずに生きてるんだ!」
「ゲームをすることしか出来ないから何処でも厄介がられるし、声が小さいからよく人に怒られるし、何故か怖い人によく突っかかられるし。」
俺たちはそう言いながら、爆弾魔に近付いていく。
「だだだだから、ね、だから爆弾捨てて」
「一緒に仕事探そ?」
「え、いや、僕は別にそういうのでは」
俺らが爆弾魔を誘うと、爆弾魔は怯えたようにそう言った。
顔が若干引いている。
すると、後ろで太宰さんが国木田さんに合図するのが見えた。
それに合わせ、国木田さんが呟く。
「手帳の頁を消費うからムダ撃ちは厭なんだがな……!」
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来栖久遠 - そうですね。書き直します!コメントありがとうございました! (2018年5月12日 19時) (レス) id: 7d8c2c7b97 (このIDを非表示/違反報告)
つお/どさんこ(プロフ) - 異脳者ではなく異能者では?異能力を持つ者、という意味があるなら「異能者」が合ってると思いました。頑張ってください。 (2018年5月12日 18時) (レス) id: 686c535011 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:来栖久遠 | 作成日時:2018年5月5日 18時