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世間は彼らを“蜘蛛”と呼んだ。


血も涙もない、人を人とも思わぬ外道。仲間さえ殺すとも噂されたがそれは大きな間違いだ。


長い間 苦を共にした彼らの絆は固い、他人に少々冷たいだけで。


「……うぅ、負けた」


「残念でした」


がっくりと頭を垂れるハクアと一瞥もせずにクッキーを食べるグラスィドール。つい先ほどまで知恵比べを兼ねたしりとりに興じていたところだ。


読み書きが出来るようになったのはハクアが遥かに先なのに、今じゃグラスィドールに勝てない。しまいには自分が読めない古代語の本を読んでしまう。


どうしてこうなった、それが彼女の心境だ。


「…どこでそんな量の知識を仕入れるんだ」


「本読んだら勝手に頭に入ってくるじゃん」


「頭いいアピールか」


「うん」


「お前……!!」


「チビが怒っても怖くない」

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作者名:クヴァール&くろのちか x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年1月21日 17時

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