*3−1*始まりを告げるは子龍* ページ6
白い髪に不恰好に切り揃えられた前髪をした少年が辺りをくるりと見渡す。
そこは所謂、墓地という場所であったが、見渡しは良く遠くには青く輝く海が見え、出航を知らせる汽笛が風に乗って響く。
其れはなんとも綺麗な場所であった。
「こんな場所あったんだ…」
ここでならば、魂達も永遠に安らかに眠れるだろう。
新しい発見に驚き、関心するも、少年は目的を思い出したのかとある人物を探し出した。
一つの墓石に背凭れ、木陰から覗く太陽のキラキラとした光に照らされる其の人物。
砂色の外套に、茶が混じった黒の蓬髪、服の下から覗く包帯が其の人物の特徴であった。
漸く見つけた人物に駆け寄ろうと小走りになる少年だったが、フと、其の猫目の端に捉えた人物に目を向けた。
白い墓石が並ぶ道を、自身とは逆の向きへ歩く其の女。
蒼く輝く瞳、黒く艶のある髪に黒服、其の服の上からは、何処かの医者なのだろうか…汚れの無い白衣を着てコツコツと雅に靴音を鳴らす。
少年は足を止め、其の女を見る。
はて…?
何処かで見たような、見てないような…??
疑問に思うも、霧がかかった様に脳内が考える事を拒む。
目を瞑り、再度開けると、もうそこには誰も居なかった。
「…っと、それよりも!」
そう言いつつ、目的の人物へと駆け寄る少年の姿を、近くの木へ身を隠した女はジッと見つめていた。
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フェミロ - まろりんさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます。只今、番外編&NG集等を作成中です。ご意見頂いた物語も書かせて頂きたいと思います。ありがとうございます。 (2018年4月29日 8時) (レス) id: af47f06155 (このIDを非表示/違反報告)
まろりん - 泣きました( ;∀;)もし番外編の機会があったら死後、彼らの幸せな場面を見てみたいです。フョードルルートも。 (2018年4月14日 0時) (レス) id: 631d19327a (このIDを非表示/違反報告)
フェミロ - Rukaさん» そう言って頂けて嬉しいです。ありがとうございます。頑張ります。 (2018年3月29日 8時) (レス) id: a574a862fc (このIDを非表示/違反報告)
Ruka(プロフ) - すごく感動しました!!!次の作品も頑張ってください!! (2018年3月26日 15時) (レス) id: aecad8101e (このIDを非表示/違反報告)
フェミロ - ご指摘ありがとうございます。外し忘れていましたので直しました。ありがとうございます。 (2018年3月15日 22時) (レス) id: af47f06155 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フェミロ | 作成日時:2018年3月15日 21時