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食事を済ませ夜景を見ながら
「A……」
「ん?」
首を傾げながらもロゼはその箱を受け取った。
「その……気に入るかはわからないが……」
「……ネックレス?」
シグマに促され箱を開けると、そこにあったのは青く澄み切った宝石のシンプルなネックレスであった。
「Aの瞳に合うと思って……」
照れくさそうに様子を窺うシグマに、ロゼは思わず卓子に突っ伏してしまった。
「!?」
数秒の後、ロゼは顔を上げた。にやける頬を手で押さえている。
「好き……無理。私まだ死にたくない。」
そう呟いたかと思えば目を閉じ深く呼吸をする。深呼吸を数回した後ロゼは嬉しそうに微笑んだ。
「ありがとう。大切にするよ。」
その時ふと卓子に影が差した。
「そろそろいいですか?」
二人が影の主を見ると、ロゼの横にドストエフスキーが、背後にゴーゴリが立っていた。
「写真撮ろ!写真!」
店員に写真機を渡したゴーゴリがそう言いロゼに抱き着く。
「他の人達も出て来なよ。」
写真を数枚撮り終えると、ロゼは朝からついてまわっていた気配の主達に声をかけた。数名、わかりやすく肩が跳ねる。
「気付いていたんですか?」
気まずそうに中島がそう問いかけた。
「気付くよ流石に……特に遊園地のマフィアは目立ってたよ。」
「……だろうな。」
観覧車からよく見えたと笑うロゼに、中原が疲れたようにそう返した。
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作者名:透 | 作成日時:2021年9月26日 21時