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「3人目は、A・ロゼヴァルト。敵を赦し、その命を救うことは誰にでもできることでは無い。その高潔さを称え、グリフィンドールに50点を与える。」
再び拍手が沸き起こるが、本人はそこまでのことをしたつもりはないとでも言いたげにダンブルドアを見つめていた。助ける手段があるから、異能を発動したに過ぎないのだと。
ほどなくして拍手も騒めきも治まると、あの日あの時その場にいたもう1人──まだ名前を呼ばれていないハリーに視線が集まった。
「そして、ハリー・ポッター。その完璧な精神力と、並はずれた勇気を称え、グリフィンドールに60点を与える。」
ハッフルパフを超え、レイブンクローを超え、そればかりかスリザリンに並んだ。
「敵に立ち向かっていくのにも大いなる勇気がいる。しかし、味方の友人に立ち向かっていくのにも同じくらい勇気が必要じゃ……そこで、10点をネビル・ロングボトムに与えたい。」
ダンブルドアが言い終わると同時に、グリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクローのテーブルから割れんばかりの拍手と歓声が沸き起こった。ネビルは驚きのあまり固まってしまっている。
「わしの計算に間違いがなければ、飾りつけをちょいと変えねばならんのう。」
そう言ってダンブルドアが手を叩くと、緑と銀のスリザリンの旗が一瞬にして赤と金のグリフィンドールに変わった。
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作者名:透 | 作成日時:2021年9月26日 21時