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太芥『歪』 ページ13




 タイトルからして分かると思いますが、ヤンヤン(デレ)な太宰さんです。

 リクエストありがとうございます。


♀♂



 幹部に昇格したその日から、太宰は何処か壊れてしまった。もとい可笑しくない部分など無いのだが、何より愛し方が歪(いびつ)なのだ。



「芥川君。今夜、私の執務室」



 そしてそれは芥川に対する尋常ではない“愛情”であった。部下である芥川にとって太宰は、貧民街から自分を救ってくれた神のような存在だろう。

 しかし太宰からしてみれば、芥川を拾ったのも芥川の執着も思考の範囲内だったのだ。



 今夜も芥川は太宰の執務室にて歪な愛を受け止める。感情が無いのではなく、感情を殺している芥川にとってそれは苦痛の時間だ。

 痛みには慣れている。しかし罵倒暴言には慣れていない。


 太宰は首領と同じ型のメスで、背中や腕、芥川の肉体を兎に角切り裂く。その度に傷ひとつ無かった芥川の背中に傷が増えていく。

 太宰はそれが幸福でたまらなかった。もちろん芥川が影で泣いていたなど知る由もない。



 正しい愛され方など芥川は知らない。が、これは間違っていると分かってはいる。

 しかし自分がそんなことを言えばきっと太宰は自分を捨ててしまうだろう。それが怖くてたまらなかった。


 故に、今日も太宰の歪で壊れた愛情を唇を噛み締めて堪えるのだった。



**



「…ンだよ。手前から呼び出すなんざ、余程の事じゃねェか」

「中也、彼のこと泣かせたよね」

「は?」

「芥川君だよ、芥川君。あの貧民街出身とは思えない程白くて美しいきめこまやかな肌に黒曜石みたいに輝く瞳を持っていて、毛先だけ白くなってる不思議な色彩だけどやっぱり美しい芥川君」

「手前、やっぱりイかれてんな」

「中也には言われたくないね。兎に角、芥川君が最近部屋に籠って泣いているのだよ。原因は君しかいない。私の目を盗んで彼に非道いことをしているんでしょう」

「…何言ってやがる。太宰のせいで泣いてるんだろ」

「は?君こそ頭大丈夫?私が芥川君を泣かせた?まだ私は芥川君とヤってないよ?」

「ちげぇよこのイカれ野郎!」



**



「……だって、優しくしたら芥川君は私のことを眼中にいれなくなるだろう…?」



♀♂


 やっぱり臆病太宰さんになるという惨劇。すみませんでした。

中芥『隠れた優しさ』→←続き。



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羅生門 - 体が痛む。 (2021年4月5日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
羅生門 - karadagaitam (2021年4月5日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
羅生門 - karadagaitam (2021年4月5日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
kyo - 誰が見ても認める美貌の持ち主の芥川さんは、驚くほど食事の量が少ないので食べ残しは私が食べます。(きりっ) (2017年8月25日 10時) (レス) id: b8f51b6520 (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわとまと - マジカルワールドさん» 本当に申し訳ないです…!ありがとうございます! (2017年6月10日 23時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なかゞわとまと | 作成日時:2017年4月22日 1時

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