ずっと一緒にいてくれる？ (ページ19)

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知らない方が、ページ19

りおside

りお「ねぇ、優？
世の中には…知らない方がいいってことがあるの、知ってる？
今から話すのは、きっと優にとって決して、気持ちのいいものではない…と思うんだ。
でも、聞いてほしい。そして、また…やり直せるなら、」

一言でそう言って、私は大きく息を吸いこんだ。

りお「私…あと半年の命っていったよね。
…生まれた時から、私、心臓が弱くて。
本当にぽんこつで、何度も何度も入院したり手術したり、自由に学校に行けたことなんてほとんどなかった。」

…でもね、

優が、そんな私の人生を変えてくれたんだ。

りお「好きだったよ。優のこと。
私、小学３年生の夏休み明け、１日だけ学校に行くことができたんだ。
その時にね…優を見かけて。それから、優はずっと頭から離れない存在になったよ。」

今でも、おぼえてる。

あの時の気持ちは…誰とも共有できない。

りお「中学生になって、クラスが同じになって、私もだんだん体調が安定してきて。
一時退院してたとき、付き合うことになって。私…本当に嬉しかった。
あぁ、この人と付き合えるんだ、って、そう思ったら嬉しくて。」

俯いて話す私の顔を、優の目線は離れようとしなかった。

りお「私の病気、治療法がないんだ。
…正直、移植のドナーを待つ日々が続いてる。でもね、私、諦めたくなんかないよ。
だって、優がいるから。優となら、なんでも頑張れる。」

──どんなに辛い手術でもね、

そう、私は付け加えた。

りお「…はい、これで私の話はおしまい。
傷付けてしまったら、ごめんね。」

優はふるふると首を横に振った。

そして、

優「話してくれて…嬉しかった。じゃあまた…。」

そう、２言残して病室を出ていった。

…やっぱり、言わなきゃよかったなぁ、なんて、後悔したのはすぐあとの話。