拾弍 ページ15
『え、いや、あの、探偵社に…ですか?』
「うん。
だって君、帰る場所無くなってたッて云っていただろう?」
そう。
私が現に帰る場所が無い事も、自分から敦さんと太宰さんに伝えた。
探偵社の方々とも知り合って、(変わってるけど)優しい方が沢山居る事も知った。
でもだからと云って、全員と初対面の私がこんなにも優遇されてしまっていいのかな。
「なあに、心配は要らないさ。
社長の了承は既に貰ってるからね」
『…社長…』
武装探偵社の、社長か…
「私がその長だ」
そう云いながら一人の男性がこの室内に入って来た。
「武装探偵社社長、福沢諭吉だ。
居場所が無いのなら、下手に宿を探すよりも此処に暫く身を置いておく方が安全だろう」
「それにAさん、学生なんだろう?
宿に泊まっていたら直ぐに資金が尽きてしまうんじゃないかとも思ったのだよ」
「知り合って此処までやって来たのも何かの縁ですし、良かったら此処で一緒に過ごしてみませんか?
僕たちも手厚く歓迎しますよ」
皆さんが此処まで云って下さっている。
此処で断る程失礼な事は無いよね。
ここは有難く言葉を受け取ろう。
『宜しくお願いします!』
この日から、私の別世界での怪奇譚が始まる。
非現実的で、突飛で、それでいて充実した毎日が─────。
.
.
.
「社長。
今日、鶴見川で知り合ったあの娘の事なのですが」
「何だ」
「あの娘を、
「何故そう思う、太宰」
「あの少女は、何から何までが普通じゃないんです。
上空から落ちて来た事。
彼女の記憶と現実との食い違い。
それに、彼女が通学していると云う高等学校も実在しない架空のものだという事実。
その全てが非常なのです」
「だから、此処で様子を見たいと云う事か」
「そうです。
─────あわよくば、彼女も一人の異能者になり得るかもしれません。確証はありませんが」
「…」
「入社試験は後々行うとして、取り敢えずは探偵社に身を寄せておくという事にしておきませんか」
「─────了承した」
「では、そろそろ本人に話をしに行きましょうか」
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守川(もりかわ)(プロフ) - 蘭香さん» コメントありがとうございます!大変お待たせしました(´;ω;`)長らく更新出来ず終いですみませんでしたorzこれからもどうぞ御贔屓に宜しくお願いします(*´-`) (2018年5月21日 23時) (レス) id: e9ab5a1a86 (このIDを非表示/違反報告)
蘭香 - これおもろいなぁ…はよう続きが見てみたいわ且⊂(゚∀゚*) (2018年5月20日 5時) (レス) id: 4a14a6da47 (このIDを非表示/違反報告)
守川(もりかわ)(プロフ) - 来夢さん» コメントありがとうございます!面白く出来ていたら幸いです(*^-^*)時間軸は、この話を書き始めた時点で私がまだ10巻までしか漫画を読めていなかったので組合戦の後になってます!話の紹介文にも付け足しておきますね! (2018年4月6日 22時) (レス) id: e9ab5a1a86 (このIDを非表示/違反報告)
来夢 - ブリッジの顔文字可愛いwwちょこちょこ挟まれるギャグとか、凄く面白いです!この作品は、時間軸はどうなっているんですか?鏡花ちゃんがいるから、組合戦のあとですか? (2018年4月6日 15時) (レス) id: 7c45f15a69 (このIDを非表示/違反報告)
守川(もりかわ)(プロフ) - りんずさん» コメントありがとうございます!タイトルはギャグらしくて目を引くものにしたかったので、タイトルについての反応を頂けたのがとても嬉しいです(*´ω`*) 応援に応えられるものが書けるかどうかは分かりませんが、これからも頑張ります! (2018年3月31日 8時) (レス) id: e9ab5a1a86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:守川 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/miamia251/
作成日時:2018年2月3日 7時