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#8 ページ8

王様ゲームをした日から六日が経った。

最近忙しくて行けていなかった演劇部に、今日は久しぶりに訪問する。

一人で部室に向かうのは初めてで、久しく皆と会うため、少し私の体はこわばり気味だった。

コンコンコン。ドアを強めにノックするが、返事は無く、不安の気持ちでいっぱいになる。

「し、失礼します」

勇気を出して開けた扉の奥に、リュウトとシュウタの姿があった。

「あふぇ?A、おふぃさ〜」

リュウトがポテトチップスを食べながら話しかけてくる。

お久しぶりです、と一年の差とはいえ先輩なので敬語で挨拶を返した。

シュウタは黙ってスマホを片手に、ヘッドホンを装着して目を瞑っている。

反応してくれなくて少し寂しい。

音楽を聴いているのだろうか?

「ねぇー、シュウタ!Aが来たよ」

リュウトはシュウタの座っている椅子をギコギコする。

シュウタは目をくわっと大きく開き、何回か瞬きをした後、私に目線を移した。

「ごめん、気づかなくて」

ヘッドホンを外し、改まって謝るシュウタ。

そんな彼を見ていると、いいよ、としか言えなくなってしまう。

「全くー、シュウタったら何聴いてたのさ!」

リュウトが頬を膨らませて、少し怒り気味にたずねる。

顔にかまって欲しいと書いてあるようだった。

リュウトはシュウタを後ろから抱き、ぎゅうっと締め付けている。

「何って、ASMRだよ。あー、くちゅ音最高」

シュウタは明後日の方向を向き、スマホを握りしめている。

次の瞬間、リュウトの目つきが変わった。

「はぁ?お前にはおれがいるじゃん」

いつものリュウトのふわふわした話し方からは、想像できないような乱暴な口調。

リュウトはシュウタの耳から無理やりヘッドホンを剥ぎ取り、「はぁ…っ」と吐息を吹きかける。

「うぁ、ちょっとやめ…」

シュウタの抵抗は暴走するリュウトに届かず、リュウトはぬるりと耳に舌を突っ込む。

シュウタは歯を少しくいしばり、足をガクガクと振動させている。

ぴちゃぴちゃという音とともに、余程気持ち良いということが伝わってきた。

やっとのことで、シュウタはリュウトを引き剥がし、変わりに向かい合って抱きしめる。

「お前、そんなに構って欲しかったのか?ごめんな。たっぷりオカしてやるよ」

「えへへ、やったぁ」

その頃にはリュウトはいつも通りに戻っていた。

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設定タグ:名前変換オリジナル , BL , 一次創作   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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永遠の5ちゃいだよ - 最高すぎます!あー幸せ (2022年2月8日 15時) (レス) @page11 id: 5ea1d8bd69 (このIDを非表示/違反報告)
くちもうふ - 何か私のノドから私でも聞いた事ない声が出ました.その位最高という事ですね!ニヤニヤが止まりませぬ…続きが楽しみです!! (2021年4月1日 12時) (レス) id: 3d568debde (このIDを非表示/違反報告)
苺の王子推し - 続き気になります! (2021年3月26日 22時) (レス) id: 2497fd4f55 (このIDを非表示/違反報告)
lemonsquash(プロフ) - マミ@ポ女さん» 更新最近できてないので頑張りますね (2021年3月17日 17時) (レス) id: f394f24743 (このIDを非表示/違反報告)
lemonsquash(プロフ) - 澪@橙苺王子様推しさん» リア友に勧められたのは凄いですねw私も苺の王子様推してますよ、仲間です!! (2021年3月17日 17時) (レス) id: f394f24743 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:lemonsquash | 作成日時:2021年3月8日 17時

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