俺に恋人ができるまで。

さんじゅういちわめ ページ34

会場に着き、一緒に楽屋入りする。
一通り見た後、物販に並ぶ。
もちろん、他の人も物販に並んでいる時間帯にだ。
ふゆかさんの絵好き過ぎる。
もう神。
一回でいいからふゆかさんに俺と俺のイメキャラ描いてほしい。
どうしたら上手に描けるのかなあ。

「物販並べたん？」

「うん！五つ買ってな、坂にぃのが二つ出たんよ！後は一つずつ。坂にぃも着けたらおそろやね！」

流石にいっぱいグッズを買ってしまったら他の人にも迷惑だろうかと思い、缶バッジを五つ買う程度で済ませた。
もっと買って良いなら買うけど、うん。
ダブっても、そんないらないし、持っててもあんま飾らないし、俺隠れオタクだし、女子に人気なのに男とかさ、引かれた目で見られそうだし。
少し物足りなさを感じながら楽屋へ向かっていると、周りを散歩していたのか、坂にぃに会った。
結果を聞かれたので、普通に答える。
すると、何が悪かったのか、坂にぃはあ、うん。とだけ言って、楽屋に戻ってしまった。
何が悪かったんやろか。
仕方ないので、一人で、用意されたシークレットゲストルームと書かれた楽屋に入る。
これから、俺の出番まで暇やな。
虚しいことを考えてしまって、俺の口からは無意識に溜息が漏れた。

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