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「あら……風紀委員は誰もやらないんです？」
始業式が終われば、二時間目はLHR。早速決めた学級委員の二人が前に出て次々と委員会や係を決めていく中、唯一避けられたように空白になっている黒板の欄に目を向けた。
「あ……風紀委員は……」
「……？」
口篭る学級委員の二人を見て、はてなを浮かべる。口篭る……というよりは、何かに恐怖しているような……。
一体風紀委員に何があるのかしら、と逆に興味を持った私は、かたりと席を立ち、控えめに肩の高さ程に手を挙げた。
「なら私、立候補しても宜しいでしょうか？」
私が立候補した瞬間、一気に教室がざわめいた。はて、と首を傾げながら、ふわりふわりとイタリアでの委員会活動を思い出す。
「私、前の学校でも風紀委員だったんです。折角ならイタリアでの経験を活かして委員会活動をしたいですわ」
そんなにおかしい事を言ってしまったかしら……と周囲をきょろきょろと見回す。隣に座る男の子なんて、酷く青ざめてこちらを見ている。
……転校生じゃ駄目なのかしら？と思っていた矢先。
「わ、わかりました……みなさん、賛成なら拍手を！」
前でこしょこしょ話をしていた学級委員の二人が、決意したように震えた声で賛成の拍手を求める。最初はぱらぱらとしていた音の粒が、次第に大きな拍手へと変わっていく。
拙く風紀委員と書かれた文字の下。黒板には『鈴宮A』と字が刻まれた。
「──鈴宮さん、気をつけてね……」
「……？」
肩をとんとん、と優しく叩いて声を掛けてきたのは、さっきまで青ざめていた彼だった。きょとんとしているであろう私の顔を見ると、喉をこくりと鳴らして口を開いた。
「風紀委員は屈強な不良ばかり……その中でも、委員長の雲雀恭弥はとんでもなくおっかない奴なんだ……！」
「ヒバリ……」
可愛らしい響きの名前だわ、と思いながらも、彼の表情を見るにとっても怖い人らしい。
「もう、イタリアには日本と比べ物にならないくらいおっかない人達が沢山いるのよ？中学生の男の子くらいへっちゃらよ」
「でも……！鈴宮さんみたいな女の子が入ったら……」
心配そうに話す彼を見ていると何だかおかしくて、くすくす笑ってしまう。
「大丈夫よ、ただの委員会活動だもの。それに……」
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もも(プロフ) - まーぶりんさん» コメントありがとうございます。お褒め頂き光栄です。私自身気に入っていない部分が多い為近々大型修正が入るかと思いますが、それまで今の本作品を楽しんでいただけますと幸いです。 (2021年9月20日 6時) (
レス) id: f920ea46f5 (このIDを非表示/違反報告)
まーぶりん(プロフ) - 初めて読んだ感じの小説で，凄く面白かったです！続き楽しみにしています！更新頑張ってください！！ (2021年9月19日 17時) (レス) id: 045921842f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もも | 作成日時：2021年9月12日 15時
