検索窓
今日:19 hit、昨日:23 hit、合計:690,470 hit

42. ページ45

.

しーんとした静寂に耐えかねた私は、不安を増幅させながら誤魔化すようにマイクをテーブルに置く。


「あ、えっと……次、誰歌いますか?」


下手な笑顔を貼り付けながら、皆の顔を見ていくと……隣にいたまふが、がしっと私の肩を掴んだ。



「わっ」

「もう歌い手になろうよ!!おいで!!歌い手(こっち)の世界へ!!!」



急に発せられた高い大声を合図に、うらたさん、坂田さん、志麻くんの順で声を上げる。



「上手いわ!!上手すぎるわ!!コラボして!!」


「もっと歌ってや!その声むっっちゃ好きやねん!!」


「上手くね!?次、俺となんか歌お!?」



そんな皆の姿に、一番最後の……前回にあたるカラオケの記憶が脳裏に浮かんだ。

その時は、キヨと、レトさんと……楓舞、フジ、ヒラ、こーすけで行ったんだっけ



―――俺、Aちゃんの歌声はマジで公開すべきだと思う!

―――Aちゃんの歌声は、真っ直ぐに届くね




―――おいA、お前……こっち来いよ




耳の奥で聞こえたレトさん、フジ……そしてキヨの声。
私の歌を聴いて喜んでくれる人を目の当たりにして、思わず口が綻ぶ。




「……ありがとう」



大興奮している皆を前に、もう一度マイクを握った。志麻くんの方を見て「何歌おうか?」と聞く。


志麻くんの顔は、真っ赤だった。



「……?」


クエスチョンマークを浮かべた頭のまま周りの皆を見てみる。

皆も同様に、目を見開いてぼうっと顔を赤く火照らせていた。




「ど、どうしたんです……?」


「……な、んでもないわ。何歌える?」


「そうですか?歌……んー…ロメオ、とかですかね」


「……」

43.→←41. カラオケ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (448 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1098人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あーやんの向日葵畑(プロフ) - とても素敵な作品でした!良きです!もしよければ続編のパスワード可能でしたらお聞きしたいです、無理しない程度に頑張ってください! (2020年1月12日 15時) (レス) id: 6889ca0c35 (このIDを非表示/違反報告)
みこっち - めっっっっちゃっっっっくちゃ好きです!!!ドストライク!!!続き楽しみにして待ってます!もう犬のように!! (2018年11月23日 21時) (レス) id: ef17909c6a (このIDを非表示/違反報告)
すずらん - 評価300を301にしてしまった罪悪感← 勿論10を押させていただきました! (2018年11月19日 0時) (レス) id: a3f3cd9373 (このIDを非表示/違反報告)
彩香(プロフ) - 移行お願いします! (2018年11月11日 17時) (レス) id: d404cb0bcc (このIDを非表示/違反報告)
祈る海星(プロフ) - 続きがとてもみたいのですが…ばけモノ様の無理のしない程度で!!!!!お願いします!!! (2018年11月10日 22時) (レス) id: b8b471cbff (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ばけモノ。 x他1人 | 作成日時:2018年8月13日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。