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でも、ヒートが来る度に感じるそれは
俺を不安にさせた
俺はあれから、ヒートの度に彼が欲しくなった
あの優しい手
あの優しい瞳
あの優しい声
あの優しい香
全てが思い浮かんで
体を更に高揚させた
妄想自慰なんて、
俺は相当
あの人に染まってしまったらしい
でもそれくらい
俺は、あの時の体験が
人生において
大きく残るものだったんだ
Ωってだけで
蔑まれ、冷ややかな目で見られ
たまには襲われかけたりもして
第二性で
なんでこうも人が変わるのか
俺は分からなかった
Ωに人権は無いのかよ
そう思う日々がずっと続いてたのに
あのα共をぼこって警察まで呼んで
俺にはどこまでも優しくして
ヒートまで抑えてくれて
自分だって俺のフェロモンにやられてるはずなのに
自傷までして
あぁ、もう
あの人のことばっかだ
「ふっ、うぅ
とどっ、かないぃっ」
あの人の指じゃないと
届かない……
そう思いながら
いつも一人でした後
ぽっかりと穴が空いたような
そんな感覚と寂しさが
体から心までを巡っていた
ヒートの時だけじゃない
ずっと俺は
何故とか駄目とか思ってはいるのに
彼を思って一人ですることを
やめることは出来なかった
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作者名：BINA
| 作成日時：2023年9月13日 0時
